第一次腕時計ブームの2000年前後には、男性からも支持が高く、当時は人気度的にも実勢価格の観点でも、ロレックスと迷われる存在だったといえます。
ただ、今ではパシャCは女性用というイメージが強く、中古でも「レディース」という記載が目立ちます。
実際、パシャCは、2005年前後の時期から女性用というキャラクターが強くなるのですが、そうなった理由は、パシャシータイマーが新たに登場したことが大きいでしょう。
それまで、パシャシリーズには、高級なパシャ38mm、もっと高級な女性用のパシャ(32mm)、カジュアルなパシャC、という3つのシリーズがあったのですが、2006年にシータイマーが追加されたことにより、カジュアルなパシャには2つのサイズが存在することとなったのです。
そして、そのシータイマー登場前後の時期から、パシャCはより女性を意識した印象を持つようになります。
現在、パシャCの中古を見てわかるように、パシャCにはスモールデイトとビッグデイトがあるのですが、それらは年式により異なる傾向です。
具体的には、
があるのですが、ビッグデイトの途中までが男性用という印象が強かったといえます。
また、スモールデイトの拡大鏡ありだった時代ぐらいまでが、まさにロレックスと迷われる存在感だったといえますが、その中でも白文字盤と黒文字盤の人気が高かったと感じます。
ちなみに、白文字盤がビッグデイト化された後でも、黒文字盤はしばらくスモールデイトのままでした。
90年代といえば、発光塗料がトリチウムからルミノバに変わった時代ですが、その時期に、パシャCもルミノバへと変更。ルミノバとなった際は、裏蓋の表記形状も変わり、やや新しさを感じます。
そのため、黒文字盤にはトリチウム時代とルミノバ世代が含まれており、個体によって文字盤表記と裏蓋が異なるのです。
しかし、実は早々とビッグデイト化された白文字盤のスモールデイトにも、ルミノバ仕様が存在。
それこそ、2年ほど前の記事でも紹介した「L SWISS MADE L」のモデルなのですが、数が極端に少ない傾向があります。
なぜなら、99年頃に登場してからすぐにビッグデイトに交代してしまったため、生産期間が短いのです。
筆者は、この白文字盤が個人的に好きなため、日常的にウォッチするようにしているのですが、ここ数年は、1年に1度か2度ぐらいしか見かけません。
そして、その相場は同じ白文字盤よりやや高いといったところなのですが、久々に登場した、「L SWISS MADE L」も、以前と同様の水準となっている様子です。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年2月 の安値(楽天) |
2019年4月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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カルティエ
パシャC (L SWISS MADE L 表記) W31015M7 |
中古 | 2年 2ヶ月 |
¥162,000 | ¥167,400 | 5,400 | 103.33% |
「L SWISS MADE L」の拡大鏡スモールデイトは、2017年2月でも現在でも16万円台という水準ですが、2018年に登場した際も同様の水準でした。
この世代の白文字盤パシャCは10万円台前半から中古の個体が存在しますが、ABランク以上でも13万円ぐらいで購入可能という状況です。
けれども、「L SWISS MADE L」は16万円台となっており、パシャCとしてはなかなか高い水準といえます。
目立った変動があるわけではありませんが、マニアックなモデルでありながら2年前から相場が安定している「L SWISS MADE L」の白文字盤。
表記違いのレアモデルは、ロレックスだと評価が高いのは常識といえますが、カルティエでも評価される傾向があるというのは興味深いと感じます。