2019年に入ってから派手に値動きしているGMTマスター2の116710BLNR。
2013年にデビューして以降、この時計は大人気状態が続いており、「常に割高」という印象がありましたが、その水準は年々上昇し、今となっては割高だったはずの過去価格が相当安く感じてしまうほどです。
GMTマスター2は、2007年にSSがモデルチェンジされた際、それまでのアイコン的要素であったカラーベゼルという要素が消滅。
それまでカラーベゼルは不人気要素でしたが、生産終了となった後、逆に人気となったのです。
2007年当時、カラーベゼルが欲しいと思ったら5桁以前の世代を購入するしかなく、その状況がその後6年近く続いていました。
ですから、ロレックスファンとしては、5桁のカラーベゼルも良いけれど、6桁世代のカラーベゼルを待ち望んでいたことだと思います。
そして2013年、そのようなファンの思いに答えたかのように、約6年ぶりにGMTマスター2にカラーベゼルが復活したのです。
そのモデルこそ、この116710BLNRなのですが「黒青」というそれまでのGMTマスターシリーズには無い色が採用され、復活ということとともに話題となりました。
この116710BLNRは、2014年の時点で中古が80万円台後半という水準。
定価は約91万円という水準であるため、2014年の時点で定価と中古がほぼ変わらないという状況だったのです。
2014年といえば、アベノミクス効果で腕時計が全体的に高くなっている時期で、特にパテックフィリップのアクアノートなどは2017年より高いぐらいの相場となっていました。
そのような時期において、この116710BLNRはデビューしてから1年程度という“新作”だったこともあり、中古と定価がほぼ変わらなかったのは珍しくない現象だといえます。
しかし、そのような人気モデルでも、デビューから時間が経つと、新たな話題性の高い新作などに圧倒され、値下がり傾向となることが珍しくありません。
筆者は、2016年にこの116710BLNRが約92万円という水準だった様子をお伝えしましたが、その際、デビューから時間が経過したにもかかわらず値下がりしないのは凄いと感じました。
とはいえ、その後この116710BLNRが派手に上昇するとは予想することはできず、その時点では「値下がりしないのは凄い」というような印象にとどまっていたのです。
そんな116710BLNRの様子が明らかに変わったのは、2017年だといえますが、なぜなら8月時点で中古が100万円以上という水準になったからです。
その後116710BLNRは値上がりし続け、2018年11月時点では約129万円という水準にまで上昇しました。
そして2019年からは、さらに目立った値動きとなり1ヶ月で10万円以上という値動きを何度も繰り返したのです。
そんな116710BLNRの値動きは、令和となった現在でも続いており、現在ではなんと170万円台という水準に到達している様子です。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年4月 の安値(楽天) |
2019年5月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
GMTマスター2 116710BLNR |
中古 | 0年 1ヶ月 |
¥1,674,000 | ¥1,732,000 | 58,000 | 103.46% |
4月から5月の1ヶ月において値動きした額は、約5万円という水準で、3月から4月にかけての値動きと比較するとやや弱いとも感じますが、それでも“1ヶ月で5万円”という値動きとなっているのは凄いと感じます。
この116710BLNRは、約3年前の2016年4月において、約92万円という水準でした。
しかし、2019年5月の今では約173万円という状況。
つまり、約3年という期間で約81万円もの値上がりとなったことになるのです。
3年前の記事を見て、もしも116710BLNRを買ったという方がいたならば、筆者としては良いきっかけを提供することができて幸いです。