ノーチラスの5980/1Aは、自社製ムーブメントのクロノグラフモデルとして、2006年にデビューしましたが、現在では生産終了となっています。
とはいえ、シリーズが完全に廃止となったわけではなく、トラベルタイム機能が追加された5990/1Aにその座を譲ったといえる様子となっており、5980についても、コンビモデルは未だラインナップされている状況です。
そのため、生産終了という要素は、この5980/1Aにとってそれほど重要とはならないかと思いきや、実はそうではないようで、近頃この5980/1Aには大きな異変が起きている様子です。
最も大きな異変こそ、中古で売り出されている個数が減ったという点。
これまで、5890/1Aは、青文字盤の-001や黒文字盤の-014が数本売り出されているという状況が珍しくありませんでしたが、近頃では売出し個数が0本となることもあるぐらい、数が少なくなっているのです。
特に黒文字盤は売出しがない状況が続いており、2019年において中古は1本も見かけない様子です。
現在、5980/1Aで売り出されていることを確認できるのは、青文字盤のみなのですが、その青文字盤の水準は、少し前と比べてずいぶん違う様子となっているのです。
この5980/1A-001は2018年12月の時点で、858万円という水準でしたが、2019年5月現在では1180万円という水準になっているのです。
ですから、この時計は約5ヶ月という間で322万円の値上がりとなっていることになり、驚くほど上昇したといえます。
ただ、5980/1Aは以前から一度に値上がりする額が、他の時計と比較してかなり大胆という傾向があるため、322万円という値上がり額自体は、驚くほど珍しいとは感じないのが面白いといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年12月 の安値(楽天) |
2019年5月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 5980/1A-001 |
中古 | 0年 5ヶ月 |
¥8,580,000 | ¥11,800,000 | 3,220,000 | 137.53% |
これまで、筆者は黒文字盤の5980/1A-014を主にチェックしていましたが、-014は2017年12月から2018年4月の4ヶ月で180万円の上昇となっています。
また、2016年7月から2017年12月までの約1年半においても、160万円の値上がりとなっているため、百万円単位の値上がりは、5980/1Aというモデルにとっては稀ではないのです。
ちなみに、この青文字盤の5980/1A-001は、2018年4月時点では約795万円という水準でした。
その時点でも、2017年と比較して目立った値上がりとなっていましたが、それから1年後の今では1000万円以上という水準になっているのです。
現在の1180万円という5980/1A-001の中古ボトム価格は、ベンツSクラスの新車並みの水準ですが、1年前では新車のEクラス並だったといえます。
そして、1年間で値上がりした額は約385万円ですから、新古車のCクラス並の水準だといえるのです。