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現在相場考察

2016年よりも値下がり傾向、年次カレンダー5146J-010

2019年5月8日更新
パテックフィリップの年次カレンダーについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2016年8月の安値(楽天)と2019年5月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この2年9ヶ月での変動は¥-68,400だった。

年次カレンダー 5146J-010についての考察(2019年5月)

2019年において、年次カレンダーというパテックフィリップは、ノーチラスを含め、いくつものモデルが存在するという印象がありますが、かつては基本的に1世代において1つのモデルという展開だったといえます。

2019年現在、そのようなラインナップ構成となっているのは、ワールドタイムだといえますが、かつては年次カレンダーも現在のワールドタイムのような印象だったのです。

ワールドタイムは、1世代に1つのモデルというラインナップですから、どれがどの世代なのか分かりやすい反面、年次カレンダーにはいくつものモデルが存在するため、世代で分類するのは難しいといえます。

ただ、2005年に登場した5146に関しては、5035の後継だということができ、「第2世代」ということができるのです。

5035は1996にデビューした年次カレンダーの初代モデルで、文字盤上に3つのスモールダイヤルがあるのが見た目的な特徴となっています。

これは、一見するとクロノグラフにも見えるため、最近では不人気要素なってしまう場合があるのですが、5146では、下のインダイヤル部分がムーンフェイズに変更されており、クロノグラフ的な印象を排除しています。

この文字盤配置は、実は5035時代にもあったのですが、当時それを採用していたのはプラチナ素材の上級モデル、5056Pでした。

5146の時代には、ムーンフェイズが標準的となり、ケースサイズもそれまでの35mmから39mmに拡大。インデックスもローマンからアラビアとなり、文字盤色も新たな展開となりました。

その内容は、2019年現在でも十分通用するように感じますが、実際5146は現行モデルとして今でもラインナップされています。

そんな5146という存在は、ノーチラスほどの注目度はないものの、しっかりとしたファンが存在し、筆者が記事を書くときに、その対象となる個体が売り切れとなる様子を以前から目にします。ちなみに、今回も執筆中に売り切れとなったため、なかなか需要がある時計だと個人的には感じています。

しかし、そのような印象とは逆に、この時計は2016年8月と比べて値下がり傾向。

2016年8月といえば、多くの時計が安くなった印象の時期ですが、その時期と比較して値下がり傾向であるのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2016年8月
の安値(楽天)
2019年5月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
年次カレンダー
5146J-010
中古 2年
9ヶ月
¥3,218,400 ¥3,150,000 -68,400 97.87%

2016年8月において、この5146Jノーチラス5711/1Aと同じか、やや高いぐらいの価格帯に位置していましたが、2019年現在ではノーチラスの半額程度という状況となっています。

2017年以降、5711/1Aが目立って上昇した反面、この5146Jは値下がり傾向となっていますから、両者の相場が広がっても仕方がありません。

最近、パテックフィリップは高いと感じている人にとっては、この5146Jという存在は、なかなか狙い目といえるかもしれません。

もっとも、2011年時点では、5146J-010約179万円という水準だったため、それと比較すると現在の水準でも100万円単位で上昇していることになります。

しかし、2016年8月以降、多くの時計が“さらに100万円”といった単位で上昇したことを考慮すると、2016年と変わらないどころか、やや値下がり傾向となっているこの5146Jは、現在において相対的に安く買える比較的人気度の高いパテックだといえるかと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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