パネライにおいて、最もシンプルなモデルといえば、ルミノールベースですが、ある意味パネライの魅力が凝縮された存在だといえるかもしれません。
余計なものがない2針の文字盤からは、パネライの特徴を強く感じることができ、短歌や俳句のような腕時計だとも感じます。
そういった魅力は、2002年頃パネライがブームとなった時期に注目され、当時の現行モデルだった2番や112番は、一時プレミア価格といえる状況となっていました。
ルミノールベースという存在は、プレヴァンドームの頃から現在までラインナップされているのですが、何度かモデルチェンジを行った結果、ユーザーからすると「どのモデルかわからない」という複雑さを感じる次第となっています。
分かりやすく整理すると、
の3つが基本形だといえるのですが、「OPロゴ」や白文字盤など様々な型番があるため、ユーザーからすると分かりづらいのだと思います。
PAM00002は97年のPreA時代に登場したモデルで、現体制のパネライとしては、最も初期のラインナップの1つとなります。
99年頃までは、文字盤の発光塗料にトリチウムを採用していたのですが、現在では「トリチウム文字盤」は通常の個体より高い相場となっています。
PAM00112は、PAM00002を裏スケ化したモデルなのですが、途中でサンドイッチ文字盤に変更となりました。そのため、見た目的には2番に近いものと、そうでないものが存在します。
そして、PAM00560は、自社製ムーブメントを搭載したモデルで、文字盤上に「8 DAYS」と書かれているのが特徴となっています。
現在、ルミノールベースの相場は高い順に、『プレヴァンドーム>2番のトリチウム>2番>560番>112番』となっており、2000年以前のモノが特に評価されている傾向があります。
PAM00560は、自社製ムーブメント搭載ということで、デビュー時の実勢価格は高かったのですが、2017年になるとその水準は中古でも新品実勢価格でも落ち着いていました。
そして、それから2年経った今、中古はやや上昇している様子なのですが、その相場は大きく変わっていないともいえます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年5月 の安値(楽天) |
2019年5月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オフィチーネパネライ
ルミノールベース PAM00560 |
中古 | 2年 0ヶ月 |
¥478,000 | ¥498,000 | 20,000 | 104.18% |
2017年の段階では、PAM00002と同水準だったPAM00560ですが、現在では50万円台となっているPAM00002(非トリチウム)より安い水準となっています。
8日間パワーリザーブの自社製ムーブメントは、デビュー当時では「真新しさ」を感じたため、高値要素となったのでしょう。
しかし、2019年の今では、デビューから5年という期間が経過しているわけであり、「真新しさ」を感じなくなっているのかもしれません。
ですから、今のタイミングで大きく値動きしないというのは、納得な動きだと感じます。