1999年に登場したヨットマスターロレジウム。
2010年代前半まで、16622の価格序列は、コンビモデル(デイトナを除く)や緑サブよりも“高い”という水準でしたが、2013年以降では、それらより“安い”という立ち位置になっています。
かつてこのロレジウムは、青サブ(16613)より高級という存在感だった一方、今では青サブより安いというのが当たり前。
むしろ、スポーツ系の中では比較的安く買えるという価格帯となっているように感じます。
ただ、その現在相場は、気づくと約77万円(ABランク以上)という水準。中古としては、筆者が調べた限りですが、過去最高値といえる水準に達しているのです。
以前から指摘しているように、16622は、不思議と相場全体を映し出すような値動きをする傾向がありますが、この約77万円という価格は上記の通り過去最高値といえる水準であるため、まさに現在の中古市場動向を映し出しているようにも感じます。
ですから、16622の値動きは、以前と同じように相場全体を示すような状況だといえるため、相変わらず良い動きだと感じます。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年7月 の安値(楽天) |
2019年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
ヨットマスター 16622 |
中古 | 0年 10ヶ月 |
¥730,000 | ¥776,455 | 46,455 | 106.36% |
16622は単体でみると、かなり優秀な値動きに見える一方、他のモデルと比較すると“それほど高くない”とも感じてしまうのが悲しいところともいえます。
約77万円という水準は、16622としては、過去最高値といえるほど高い一方、同じ世代の5桁と比較すると、相対的に高くはないのです。
例えば、GMTマスター2の16710は、現在100万円以上という水準ですが、2016年頃まで16622よりも安い相場に位置していました。
GMTマスター2といえば、2007年から人気になったという印象がありますが、実は2016年頃まで16622より安いぐらいの水準だったのです。
また、サブマリーナの16610と比較しても、あまり大きく変わりません。
16610は現在74.8万円(ABランク以上)という水準ですから、16622と3万円程度しかボトム価格が変わりません。
かつての常識であれば、16610は16622と数十万円単位の価格差があったため、今の価格差はかなり意外だといえるのです。
16622はスポーツモデルの中で、かつてはコンビより高い価格帯だったのが、今では同じ5桁世代と比べても、ステンレスモデルを含めても、価格序列の下のほうともいえる様子です。
16622は過去価格と比べて値上がり状態ながら、高級モデルであるにもかかわらず相対的に安いため、今の選択肢としては、意外にお得感があるという存在なのです。