元祖雲上スポーツであるロイヤルオークは、1972年のデビュー以来、様々なバリエーションを他の雲上スポーツに先駆けて展開してきたといえます。
80年代前半には、すでに永久カレンダーモデルをデビューさせ、93年にはオフショアというセカンドライン的な存在が登場。
ノーチラスは、2005年の3712/1Aまで、シンプルな3針(2針含む)を基本とした展開だったことを考慮すると、かなり早い段階からロイヤルオークには様々なモデルが展開されたといえます。
2005年以前まで、ノーチラスは展開するモデル数が少なかったわけですが、それはそれで“良さ”があったといえます。
しかし、ノーチラス人気が世界的に高まったのは、やはりコンプリケーションモデル投入後だといえ、大人気状態である現在のラインナップを見ても様々な種類を確認することができます。
ですから、様々なバリエーションを用意するということは、シリーズ人気に一役買うということがあるようです。
現在、ロイヤルオークにおいて、最も人気なモデルだと思われるのは、初代の5402はもちろん、それ以外には、青文字盤のエクストラシンや15400STなどだと思います。ですから、様々なバリエーションが用意されていても、シンプルなモデルが人気という傾向があるといえます。
しかし、2000年代前半において、最も存在感があったといえるのは、オフショアのほうでした。
特に、ラバーベルトが特徴的な25940SKは当時の雲上スポーツとしては、抜きん出て高い実勢価格となっており、まさに「別世界の腕時計」という印象でした。
当時の3針ロイヤルオークの現行モデルは14790でしたが、その新品実勢価格が50万円台だったのに対し、25940SKは100万円以上。その頃、ノーチラス3710/1Aやアクアノート5065/1Aの新品実勢価格は約90万円だったことを考えると、やはり別のベクトルといえる価格帯にいたと感じます。
さて、そんなロイヤルオークオフショアの25940SK.OO.D002CA.02は、現在どのような水準となっているかというと、168万円という様子。
2015年8月から3年9ヶ月の間で値動きした額は約17万円という水準であるため、値上がり傾向という優秀さがある一方、3針ロイヤルオークの最近の値動きと比べると、かなり地味な動きとも感じます。
本記事で参考とした中古腕時計
|
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2015年8月 の安値(楽天) |
2019年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オーデマピゲ
ロイヤルオーク オフショア 25940SK.OO.D002CA.02 |
中古 | 3年 9ヶ月 |
¥1,509,840 | ¥1,680,000 | 170,160 | 111.27% |
ロイヤルオークの15400STは、現在200万円以上という水準ですが、2016年までは120万円台で購入可能でした。
ですから、長年に渡りこのラバーベルトのオフショアは、15400STなど、現行3針モデルと比較して、高い価格帯に位置したわけです。
しかし、最近、復数の3針モデルがこぞって値上がりした一方、この25940SK.OO.D002CA.02はあまり目立った値動きとならなかった結果、その価格序列は逆転したのです。
つい最近まで、ラバーベルトのオフショアは、ステンレスの3針より高いという印象がありましたが、2019年の今において、15300STや15400STよりも数十万円単位で安い価格帯にいるわけです。