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現在相場考察

オイスタークォーツの評価に異変、デイトジャスト17000

2019年6月1日更新
ロレックスのデイトジャスト17000について斉藤由貴生が執筆。本記事では2013年6月の安値(ヤフオク)と2019年6月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この6年0ヶ月での変動は¥181,590だった。

デイトジャスト 銀文字盤バー 17000についての考察(2019年6月)

かつてロレックスに存在したクォーツモデル、オイスタークォーツ

デイデイトとデイトジャストに用意され、当時の定価は機械式を上回る水準でした。

見た目も、機械式のオイスターとは明らかに異なるデザインが採用され、当時のフラッグシップモデルという力の入れようをそこから感じます。

しかし、そんなオイスタークォーツは、ロレックスブームとなった2000年前後という時代には、全く評価されない存在となっていたのです。

その頃既に、オイスタークォーツは「古臭い過去のモデル」という印象があったように感じますが、実は2001年頃まで製造されており、ロレックスブーム時には現行だったのです。

そんなオイスタークォーツは、生産終了後も全く注目されることがなく、アベノミクス以降の時代でも、ロレックスとしては異例に安い価格帯とった存在でした。アベノミクス以降、“ロレックスとして安い価格帯”は、5桁エアキング20万円台という水準になったかと思いますが、それに対してオイスタークォーツのデイトジャスト10万円台という相場だったのです。

また、店頭でもオイスタークォーツは、通常のロレックスとは別のケースに展示されているなど、やや異なるものというように扱われることを見かけました。ただ、ファンがいないわけではなく、海外でもオイスタークォーツを中心にコレクションするマニアがいるなど、一部の熱狂的なファンに好まれるという傾向があったといえます。

しかし今、そんなオイスタークォーツのデイトジャストに異変が起きているのです。

現在、1700030万円台後半という水準になっており、ちょうど6年前と比較して約18万円の値上がり状態なのです。

そして、重要なのはこの値動きよりも、他の5桁と同等の評価となったという点です。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2013年6月
の安値(ヤフオク)
2019年6月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ロレックス
デイトジャスト
銀文字盤バー
17000
中古 6年
0ヶ月
¥194,250 ¥375,840 181,590 193.48%

現在、30万円台後半では、5桁時代のデイトジャストエアキングが購入可能ですが、これら5桁時代の機械式モデルとオイスタークォーツは、以前は異なる価格帯に位置していました。

しかし、今となっては、オイスタークォーツのデイトジャストは、5桁時代の機械式と同じ水準に位置。エアキング14000Mより高い水準となっているのです。

ですから、オイスタークォーツのデイトジャストには異変が起きたといえます。

このようなことから、オイスタークォーツが全体的に評価されているのかと思うところですが、実はデイデイトのクォーツは、これほどの動きとはなっていません。

確かに、デイデイトの19018からも異変は感じるのですが、それはこれほど分かりやすい動きではありません。

ですから、今の段階では、特にオイスタークォーツのデイトジャストが特に目立って評価されているということになります。

20年近く前に生産終了となったオイスタークォーツは、その独特な形状と、ロレックスなのにクォーツという意外性が面白いと感じるため、さらに注目度が高くなっても不思議ではないと感じます。

そういった意味では、今後の値動きも楽しみなのですが、クォーツならではのメンテナンスの面倒臭さなど、デメリットもないわけではないため、どのような動きになるか予測するのが難しい点があるともいえます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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