ステンレスのスポーツモデルの“ベゼル”にだけ高級素材を使うという文脈は、1999年に登場したヨットマスターロレジウムから認知されたと思いますが、まさにその時代に同じようなコンセプトのモデルがオメガからも出ていました。
それは、シーマスターのアメリカズカップ限定モデルなのですが、ベゼルがWGとなっているのです。
このモデルが登場したのは2000年のことですが、アメリカズカップの認知度が低い日本においても、このモデルは積極的に売られていたと感じます。
当時のドンキホーテは、比較的時計に力を入れて降り、郊外型の店舗でも多数の高級腕時計が展示。そのショーケースの中で、このアメリカズカップはよく見かける存在だったのです。
アメリカズカップはドンキホーテに限らず、当時よく見かけたのですが、シーマスターGMTと並べられて展示されていることが多かったと記憶しています。
GMTやアメリカズカップは、当時のシーマスタープロフェッショナル系において、「新しい世代のモデル」という印象が強く、新品実勢価格も頭一つ高いという印象がありました。
ですから、ちょっと上級なシーマスターという印象だったのが、アメリカズカップなどであり、存在感が高かったのだと感じます。
さて、そんなアメリカズカップは、現在の水準でも、当時のシーマスタープロフェッショナルと比較して高い水準に位置。
また、値動きもしっかりとある状況です。
2018年5月において、この2533.50は約17万円という水準だったのが、今では約21万円という水準。
この世代のオメガは10万円台で購入可能という印象があったと感じますが、今では20万円台となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年5月 の安値(楽天) |
2019年6月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オメガ
シーマスター アメリカズカップ 2533.50 |
中古 | 1年 1ヶ月 |
¥178,200 | ¥213,840 | 35,640 | 120.00% |
この2533.50の値動きは、2017年5月から2018年5月までの1年間では約2.3万円という水準だったのですが、実はこれは、2009年10月から2017年5月までの値動きに相当します。
1年で2.3万円という値動きは、あまりインパクトがないと感じますが、2009年というリーマンショック後の水準から、2017年という時期にかけて動いた額と同じというのは感慨深いものがあります。
そうすると、現在の約1年で約3.5万円という値動きは、このアメリカズカップとしては、2009年以降、最大規模の値動きといえますが、それは20万円台という価格からも同じインパクトを感じます。
アメリカズカップは9999本の限定モデルですが、こういったレアな要素のあるオメガは、多くのモデルが近頃評価されていると思います。