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現在相場考察

夏用の腕時計として魅力的、シーマスターGMT2538.20

2019年6月18日更新
オメガのシーマスター2538.20について斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年9月の安値(楽天)と2019年6月の安値(ヤフーショッピング)を比較し現在相場を考察。この1年9ヶ月での変動は¥12,000だった。

シーマスターGMT 2538.20についての考察(2019年6月)

シーマスターには様々なモデルが展開されていますが、もっともそれを象徴するモデルといえば、プロフェッショナルだといえます。

プロフェッショナルの300mは、90年代からボンドウォッチとしても有名で、青ベゼルと波柄の文字盤が特徴的だと感じます。

そんなプロフェッショナルは、今年新たなモデルが登場し、90年代から数回ものモデルチェンジが行われた様子。

そのため、常に最新モデルが用意されているという印象もあるかと思います。

しかし、2000年前後というロレックスブームの時代において、シーマスター300mにそのような印象を抱くことはありませんでした。

むしろ、300mに対しては長らくモデルチェンジしていないオーソドックスな存在という感覚があったぐらいだといえます。

その頃、新しいシーマスターという印象だったのは、チタンやGMT、WGベゼルモデルといった“アレンジ”という要素を備えるモデルの数々で、それらに対して積極的に次世代のデザインが採用されていたように感じたのです。

そういった存在は、当時の新品実勢価格の中でも高い方の序列に位置し、その頃のムーンウォッチ(3570.50)より高かったのです。

2000年前後という時代、高級腕時計選びの「オーソドックス」なブランドとして、オメガロレックスカルティエブルガリとともに人気がありましたが、その実勢価格の序列は最も安いという位置。

ロレックスの売れ筋が30万円台カルティエブルガリ20万円台だったならば、オメガ10万円台という感じだったのです。

そんなオメガの中で、このGMTのシーマスターは比較的高い価格帯に位置していたわけですが、他のブランドと比べると高くないという価格帯だったといえます。

そのため、夏用用途として良い存在だったともいえるのですが、そういった「カジュアル」を求めるにはやや高いという印象だったのです。

しかし今となっては、他の腕時計の価格帯が2000年前後と異なるため、このGMTの価格に対して「カジュアル」という要素を感じます。

本記事で参考とした中古腕時計

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オメガ シーマスターGMT ウォッチ 腕時計/人気 ステンレススチール(SS) 2538.20 ランクA

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年9月
の安値(楽天)
2019年6月
の安値(ヤフーショッピング)
変動額 残価率
オメガ
シーマスターGMT
2538.20
中古 1年
9ヶ月
¥197,300 ¥209,300 12,000 106.08%

先日お伝えしたアメリカズカップや同じ時代のチタンのシーマスターも、現在20万円台前半という中古相場になっています。

これらシーマスターは、2000年当時の新品実勢価格的にも、キャラクター的にも似た部分が多いと感じますが、そのとおり、現在の中古水準が同様というのは興味深いといえます。

ただ、GMTは2017年の段階で既に高く、そこから大きく値動きしていないため、現在、他のシーマスターと比べると値動き的には地味ともいえます。

ただ、それでも20万円台という水準になったインパクトは大きいとも感じるため、このシーマスターGMTからは、カジュアル感と値上がり優秀さという2つの反する要素を感じるのが面白いといえるでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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