シーマスターには様々なモデルが展開されていますが、もっともそれを象徴するモデルといえば、プロフェッショナルだといえます。
プロフェッショナルの300mは、90年代からボンドウォッチとしても有名で、青ベゼルと波柄の文字盤が特徴的だと感じます。
そんなプロフェッショナルは、今年新たなモデルが登場し、90年代から数回ものモデルチェンジが行われた様子。
そのため、常に最新モデルが用意されているという印象もあるかと思います。
しかし、2000年前後というロレックスブームの時代において、シーマスター300mにそのような印象を抱くことはありませんでした。
むしろ、300mに対しては長らくモデルチェンジしていないオーソドックスな存在という感覚があったぐらいだといえます。
その頃、新しいシーマスターという印象だったのは、チタンやGMT、WGベゼルモデルといった“アレンジ”という要素を備えるモデルの数々で、それらに対して積極的に次世代のデザインが採用されていたように感じたのです。
そういった存在は、当時の新品実勢価格の中でも高い方の序列に位置し、その頃のムーンウォッチ(3570.50)より高かったのです。
2000年前後という時代、高級腕時計選びの「オーソドックス」なブランドとして、オメガはロレックス、カルティエ、ブルガリとともに人気がありましたが、その実勢価格の序列は最も安いという位置。
ロレックスの売れ筋が30万円台、カルティエ、ブルガリが20万円台だったならば、オメガは10万円台という感じだったのです。
そんなオメガの中で、このGMTのシーマスターは比較的高い価格帯に位置していたわけですが、他のブランドと比べると高くないという価格帯だったといえます。
そのため、夏用用途として良い存在だったともいえるのですが、そういった「カジュアル」を求めるにはやや高いという印象だったのです。
しかし今となっては、他の腕時計の価格帯が2000年前後と異なるため、このGMTの価格に対して「カジュアル」という要素を感じます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年9月 の安値(楽天) |
2019年6月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オメガ
シーマスターGMT 2538.20 |
中古 | 1年 9ヶ月 |
¥197,300 | ¥209,300 | 12,000 | 106.08% |
先日お伝えしたアメリカズカップや同じ時代のチタンのシーマスターも、現在20万円台前半という中古相場になっています。
これらシーマスターは、2000年当時の新品実勢価格的にも、キャラクター的にも似た部分が多いと感じますが、そのとおり、現在の中古水準が同様というのは興味深いといえます。
ただ、GMTは2017年の段階で既に高く、そこから大きく値動きしていないため、現在、他のシーマスターと比べると値動き的には地味ともいえます。
ただ、それでも20万円台という水準になったインパクトは大きいとも感じるため、このシーマスターGMTからは、カジュアル感と値上がり優秀さという2つの反する要素を感じるのが面白いといえるでしょう。