ヨットマスターロレジウムといえば、スポーツロレックスの中でかなり上級に位置する腕時計という印象がかつてはあったものの、最近ではそこまで高くないという印象があります。
実際、16622は2000年代において、どのステンレスモデル(デイトナを除く)より高いのはもちろん、コンビのGMTマスター2やサブマリーナより高いという価格帯に位置していたのです。
2013年頃までそういった様子があり、当時の新作など一部モデルを除くと、ステンレス・コンビの中で最も高いという価格帯となっていました。
しかし、アベノミクス以降、多くのロレックスが派手に値上がりしていった一方で、ロレジウムの値動きは渋く、結果として、16613や16713などと価格序列が逆転してしまいました。
また、6桁世代に該当する116622については、2017年頃まで、人気SS現行モデルより高いという価格帯に位置していたのもの、現在では116610LVや116710BLNRより“ずいぶん安い価格帯”となっています。
そういった価格帯に位置するということもあってか、ロレジウムの相場変動は他のスポーツモデルと比べて地味ともいえ、短い期間で10万円単位の値動きをするということはほぼなかったといえます。
けれども、そんな116622の青文字盤は今、なんと2ヶ月で11万円以上の値上がりとなっており、かなり意外な動きとなっているのです。
2019年4月に約109万円だった青文字盤の116622は、6月の今、約121万円という水準。110万円以下だった青文字盤は、今や120万円台という水準に位置しています。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年4月 の安値(楽天) |
2019年6月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
ヨットマスター 青文字盤 116622 |
中古 | 0年 2ヶ月 |
¥1,099,800 | ¥1,211,760 | 111,960 | 110.18% |
青文字盤といえば、ここ数年は、116622の中で最も安いという傾向があったといえます。
特にプラチナ文字盤が廃止となった2017年末頃からは、そういった印象が強く、2016年デビューのダークロジウム文字盤が1位、生産終了のプラチナ文字盤が2位だとしたならば、青文字盤はそれらより10万円単位で安いという傾向があたっと感じます。
それが、現在では、なんとプラチナ文字盤よりも高い水準に位置しているのです。
116622といえば、今年のバーゼルで新モデルにモデルチェンジされたため、生産終了という要素がありますが、新モデルでもほぼ見た目が変わらない青文字盤が存在するため、このタイミングで青文字盤が高くなったのは意外です。
新しい126622には、ダークロジウムと青文字盤がラインナップされている一方で、かつてロレジウムに唯一用意されていたプラチナ文字盤はありません。
ですから、生産終了となったプラチナ文字盤が、116622で評価されるのかと思いきや、プラチナ文字盤は今のところ変化がないのです。
なぜ、青文字盤が評価されたのか、その理由は不明ですが、
という意外に意外を重ねたような出来事は、かなり面白いといえます。