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現在相場考察

2019年初代アクアノートの評価、パテックフィリップ5060A

2019年6月25日更新
パテックフィリップのアクアノートについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年5月の安値(楽天)と2019年6月の安値(ヤフーショッピング)を比較し現在相場を考察。この1年1ヶ月での変動は¥592,000だった。

アクアノート 5060Aについての考察(2019年6月)

パテックフィリップのステンレスモデルといえば、ノーチラスアクアノートという2つのシリーズがありますが、その2つのデビュー年は大きく異なります。

ノーチラス1976年であるのに対し、アクアノート1997年

今となっては、1997年を対象としても、既に20年以上が経過しているため、どちらも昔からあるように感じてしまいますが、実はアクアノートのほうがはるかに新しいのです。

ロレックスブームだった2000年前後という時代、アクアノートはデビューしてから3年程度だったため、“新しい”という印象が強かったように感じ、当時は“古臭く”感じたノーチラスより、人気が高かったと思います。

実際、筆者は当時アクアノートを購入したわけですが、その頃思ったのは、『いずれノーチラスアクアノートに統合されるのだろう』というように、アクアノート登場後に、古臭く見えてしまっていたノーチラスの存在意義が弱まっていたと感じたのです。

しかし、いざアクアノートのオーナーになってみると、ノーチラスの独特な世界観を理解。その独特さがたまらなくなり、結局筆者はノーチラスも購入しました。

その後、ノーチラスアクアノートも世界的に大人気な存在となっていきましたが、現在、より人気が高いのはノーチラスのほう。

現行モデルが高いのはもちろん、初代ノーチラスである3700/1は、2018年の時点で既に1000万円程度という水準に達しています。

では、アクアノートはどうかというと、その初代である5060Aは、他の第一世代アクアノートとそれほど大きく変わりません。

それどころか、長らく同じ33mmラバーベルトの5066Aより安いという相場となっており、機械式アクアノートの中では最も安いという印象がありました。

その理由として大きいのは、この5060Aだけが“裏スケ”仕様でないという点。アクアノートといえば裏スケという印象がありますが、そうなったのは、1998年に登場した5066からであるのです。

ですから、今まで5060Aが相対的に低く評価されていたのは理解できるのですが、それでも、この5060Aには“初代”という強い要素があります。

まして、生産された期間は1997年から、5066Aがデビューする1998年までの、おそらく1年間であるため、いろいろな意味で希少要素が高い1本だといえるのです。生産期間が1年程度というパテックフィリップは、ノーチラス3712/1Aを始めとして評価される傾向がありますが、5060Aはこれまで大きな評価とはなっていません。

では、2019年の今、そんな5060Aはどのような水準となっているかというと、1年前と比較して約59万円の値上がり状態。

現在では233万円というボトム価格となっているのです。

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年5月
の安値(楽天)
2019年6月
の安値(ヤフーショッピング)
変動額 残価率
パテックフィリップ
アクアノート
5060A
中古 1年
1ヶ月
¥1,738,000 ¥2,330,000 592,000 134.06%

実はこの5060A、昨年2018年の段階でも、2016年9月と比較して、1年8ヶ月という期間で約46万円の値上がり状態でした。

ですから、2016年以降、年々数十万円単位で高くなっていることになります。

そして、この1年1ヶ月という期間で、約59万円の値上がりとなった5060Aは、2016年から2018年までの値動きを上回っているだけでなく、その値動きの期間も短くなっているといえます。

ただ、同世代の他のアクアノートと比べると、この5060Aは未だ抜きん出て高いわけでもなく、どちらかというと安いほうの部類という状況に変わりありません。

ですから、5060Aは年々評価されているものの、その評価に「初代」という観点はあまり重要視されていない模様です。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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