ミルガウスというシリーズに対して、今や「幻」というイメージを感じる人は少数派かもしれません。
実際、ミルガウスは現行品として存在し、その相場は他のロレックスと比べて高いとはいえません。
しかし、2007年以前において、ミルガウスは「幻のモデル」という印象があったのです。
その理由は簡単で、その時期ミルガウスというシリーズが廃止されていたから。
当時のロレックス事情を知る人には常識ですが、1990年頃に廃盤となったミルガウスには5桁世代が存在しません。
ミルガウスには3つの世代が存在し、それらは、
となります。
6541が登場したのは1950年代、1019は1960年代から1990年頃まで現行としてラインナップさてていましたが、それらはロレックスブームの90年代後半において、既に「幻」という印象となっており、相場は4桁デイトナに匹敵するほど高かったのです。
特にレアなのが6541ですが、1019を例としても、90年代後半の中古は4桁デイトナと同水準だったといえます。
そのような状況は2007年に116400のデビューをもって、ミルガウスが復活するまで続き、また、116400デビュー後も「ミルガウス=レア」という印象に変わりありませんでした。
以前からお伝えしているように、2007年や2008年前半の116400の新品実勢価格は、定価より高いという状況。黒文字盤は100万円程度、116400GVは150万円以上という価格帯が2008年のリーマンショック前まで続いていたのです。
しかし、リーマンショックが発生するとミルガウスは大暴落。
116400GVは、2008年6月に約158万円だったのが、12月には約65万円となっています。
その後、ミルガウスの中古水準は、116400が30万円台後半、116400GVが40万円台中盤という状況が続き、アベノミクス以降でも他のロレックスほど大きな変化がない様子となっていました。
そんなミルガウスの現行世代は、この数年でも「大きな変化はない」という印象があり、1年で値動きする額も他のロレックスと比べるとだいぶ地味という印象がありました。
それが今、なんとミルガウスの白文字盤は70万円台となっており、以前と比べるとじわじわと高くなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年5月 の安値(楽天) |
2019年7月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
ミルガウス 白文字盤 116400 |
中古 | 1年 2ヶ月 |
¥613,440 | ¥708,000 | 94,560 | 115.41% |
2017年において、ミルガウスの白文字盤は、50万円台前半という様子でしたが、2018年になると60万円台に上昇。
そして、2019年の今では、70万円台となっているわけです。
ミルガウスの現行世代は、デビュー時おいて、現在のカラーベゼルを凌ぐほどの注目度があったものの、その後は、そこまで人気が高いという印象はありません。
そういったことは、値動きの地味さからも感じることができたのですが、そのような印象がありながらも、1年毎という期間では、2017年以降、毎年「50万円台から60万円台」というように、価格帯が変化しているのです。
現在の値動きでも、116400の値動きは、他のロレックスと比べると地味という印象は否めません。
しかし、その中古相場を見ると、過去と比べると明らかに高くなったと感じるのが面白いと感じます。