2004年にデイトナ初のWGブレスレットモデルとしてデビューした116509。そのメインキャラクター的存在だった文字盤こそ、この黒文字盤で、赤い差し色が特徴的となっています。
この黒文字盤116509は、2004年のデビューから2010年代の初めまで、デイトナのフラッグシップという印象があり、それはリーマンショック後の相場を見てもわかります。
116509と同世代のYGモデルといえば、116528ですが、2010年における相場は約130万円。それ対して、116509は218万円という水準だったため、いかに高かったかということが分かります。2010年における116509と116528の価格差は約88万円もあったのです。
しかし、2017年になるとその状況が変化。かつて88万円あった価格差が、6万円にまで縮まってしまったのです。その後、その価格差はさらに縮まり、ついには、116528のほうが116509より高い状況にまでなってしまいました。
ですから、116509という存在は、2000年代の印象と最近の印象とでは、全く異なる存在感となってしまっているわけです。
そういったことは、値動きの観点からも感じることができ、2010年代において、116509はあまり派手な値動きとなったことがあまりないのです。
しかし、2019年になると、116509はそれまでとは異なる値動きという印象となります。
特に変化を感じたのは6月のことなのですが、その際116509は“9ヶ月で約19万円の値動き”となったのです。
2010年10月と2017年6月の比較でも、116509は20万円の値動きに留まっていたため、2019年6月の9ヶ月で約19万円という値動きは、116509としてはかなり異例な動きだったといえます。
けれどもそれは、今では異例とはいえない様子となっているのです。
なぜなら、2019年7月の今、116509はさらに値動きをした状況となっているからです。
現在、116509黒文字盤は、約296万円という水準なのですが、これは1ヶ月前と比べると約16万円の値上がり状態。
つまり、116509は今、なんと1ヶ月で10万円以上という値動きをする存在となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年6月 の安値(ヤフーショッピング) |
2019年7月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
デイトナ 黒文字盤 116509 |
中古 | 0年 1ヶ月 |
¥2,800,000 | ¥2,966,000 | 166,000 | 105.93% |
116509黒文字盤といえば、これまでの印象ではあまり大きな値動きをする印象がなかった存在ですが、今や1ヶ月で約16万円という値上がりをする存在となっているのは驚きです。
2010年頃、116528に対して80万円以上も高い相場となっていた116509は、まさにデイトナのフラッグシップという印象でしたが、プラチナの116506が登場した2013年以降は、フラッグシップという印象はなく、キャラクターがぼやけてしまった印象です。
その結果、116509は、かつてのようなデイトナの上位価格帯という状態から、金無垢としては最も安い価格帯へと変化。値動きもあまりしない傾向がありました。
ですから、1ヶ月で10万円以上の値動きをするということは、かなりなインパクトとなるわけですが、ここで興味深いのは、再度YGより高くなったのかということだと思います。
現在、116528のボトム価格は288万円、その次に安い個体は約296万円という水準となっています。116528のボトム価格が他の個体の価格帯とやや離れているため、ここで「YGより再度高くなった」といったとしても、すぐに逆転される可能性があるかもしれません。
とはいえ、2番目に安い116528の個体を見ると、その水準は116509とほぼ同様。
そういった意味では、116509はYGと同じような水準に上昇したというように感じます。