ホワイトゴールドがレアという印象は、現在の腕時計ラインナップから感じませんが、2000年代までは、そういった印象があったといえます。
ロレックスがそうであるように、現在では、ホワイトゴールドどころか、ローズゴールドも腕時計の素材として珍しくない状況だといえます。
しかし、2000年代まで金無垢の選択肢として用意されていたのは基本的にイエローゴールドで、その上の高級素材としてプラチナが少数あったという程度。
そういった傾向は、ロレックスやカルティエ、ブルガリなど当時の人気ブランドであったといえます。もちろん、WGの用意がなかったわけではありませんが、ロレックスではスポーツ系への採用は革ベルトのデイトナ以外にはなく、ブルガリやカルティエでもWGはYGより圧倒的にレアという印象があります。
そのような状況において、WGへの憧れ感は高かったといえ、2004年にデイトナ初のWGブレスレットモデルが登場した際は、現在の116506ぐらいの存在感があったといえます。
それは、2010年においても同様で、当時の116528が約130万円だったのに対し、116509は218万円という水準だったのです。
ただ、今となっては、ホワイトゴールドは珍しくなくなってしまったため、YGのほうがWGより高いという様子は珍しくありません。
とはいえ、WGが少数派モデルの場合、WGがレアということに変わりないため、かつてよりWG人気が低い現在でも、レアモデルとして扱われる傾向があるということもあります。
そういった傾向があるといえるのは、デイトナの16519やデイデイトの19019ですが、それらはWGのほうがYGより高い価格帯に位置する傾向があります。
それと同じように、YGよりWGがかなりレアといえるのが、2000年代中盤以前世代のブルガリなのですが、特に「レア」だと感じられるのが、アルミニウムのWGモデル、ALW38Gだといえます。
このモデルは、アルミニウムのYGバージョンであるAL38Gに対するWGモデルとして用意されたのですが、ポリッシュ仕様かつサンレイ文字盤となっているなど、他のアルミニウムに対して特別な仕様が目立ちます。
それでいて、中古を見かけるのは1年に1度という頻度ぐらい数が少ないため、かなりなレアモデルという印象があったのですが、以前よりその相場は安いという印象です。
AL38Gが30万円台中盤だった2014年において、このALW38Gは約45万円という水準だったのですが、2018年1月には約34万円にまで下落しています。
さて、それから1年半経った今、久々にALW38Gが売られている様子を目にしたのですが、その水準は、今でも30万円台という水準。
ただ、1年半前より5万円ほど高くなっているため回復傾向とはいえる様子であるのですが、依然として2014年よりも安い状況となっています。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年1月 の安値(楽天) |
2019年7月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ブルガリ
アルミニウム ALW38G |
中古 | 1年 6ヶ月 |
¥344,700 | ¥398,000 | 53,300 | 115.46% |
アルミニウムには、最もレアな存在としてプラチナクロノグラフがあるのですが、それは99本の限定です。
プラチナという存在があると、WGの存在感がぼやけるという現象があることが多いですが、このアルミニウムの場合は、プラチナモデルがたったの99本の限定、なおかつクロノグラフであるため、3針WGのキャラクター濃度に影響を与えていないといえます。
そのようなことは、2018年1月以前の中古水準からも感じたのですが、それ以降は、YGのAL38Gとそこまで大きく変わらないという水準になってしまっているのが不思議なところ。
このALW38Gは、1年に一度出るか出ないかという、かなりレアなモデルである一方、近年は、なぜかかつてほど強い時計ではなくなっている様子です。