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現在相場考察

デビュー年の新品よりも高い、GMTマスター2 126710BLRO

2019年7月10日更新
ロレックスのGMTマスター2126710BLROについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年11月の新品実勢価格(3社平均)と2019年7月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この0年8ヶ月での変動は¥123,907だった。

GMTマスター2 126710BLROについての考察(2019年7月)

2018年に久々に復活した「青赤ベゼル」のSSモデル。

青赤ベゼルといえば、2007年までGMTマスターシリーズを象徴する色でしたが、セラミックベゼルの6桁世代になると廃止されてしまいました。

また、廃止となったのは青赤に限らず、全てのカラーベゼルがGMTマスター2において廃盤となったのです。

カラーベゼルが復活となったのは、2013年のことですが、その際登場したモデルこそ、現在の大人気モデルである116710BLNR

ただ、BLNRは「黒青」という新色でした。

結局「青赤」はその翌年2014年に復活することとなるのですが、そのベゼルを装着したモデルは、WGの高価なモデルだったのです。

青赤ベゼルといえば、現在では人気がありますが、かつての新品実勢価格は30万円台。それに対して、WGの116719BLRO300万円前後という水準が当たり前。

かつてよりだいぶ値上がりした、現在の16710水準を基準としても、さすがはホワイトゴールドだけあって、ずいぶんな高価格帯に位置しています。

そのような高級モデルも魅力ですが、やはり腕時計ファンとしては、6桁世代のステンレスの青赤も見てみたいという気持ちが強かったといえるでしょう。

そして、2018年、その期待に沿ったかのように、ステンレスの青赤ベゼルが登場。同時に、2007年以降廃止されていたジュビリーブレスレットも復活となったのですが、注目度はかなり高く、その実勢価格は、ホワイトゴールドもびっくりな高価格帯だったのです。

そういった意味では、SSを買うなら、いっそのことWGを買ってしまったほうが、なんだかお得と感じてしまっても仕方がありません。

しかし、お得か否かは、未来の相場が教えてくれます。

その代表的な例だといえるのが、116500LNですが、デビュー当時の新品実勢価格は、定価より高い「プレミア価格」。当然割高感が強いわけで、2016年の印象としては、決して「お得」とは感じません。

それが、2019年現在の見方ではその評価は180度変わっています。なぜなら、現在の中古ボトム価格より、2016年の新品実勢価格のほうが92万円ほど安いから

もしも今、約184万円116500LNの白文字盤が売られていたならば、多くの人が「安い」と思うでしょう。

話を126710BLROに戻しますと、このモデルのデビュー当時の新品実勢価格より、現在の中古ボトム価格のほうが高ければ、116500LN同様、かつて割高と感じた新品プレミア価格が、実はお得だったといえます。

では、どうなったかというと、なんとこの126710BLRO116500LN同様、デビュー時の新品実勢価格より、その後の中古ボトム価格が高いという状況です。

2018年11月の新品実勢価格、安い順の3社平均値は、約197万円という水準。それに対して、2019年7月現在の中古ボトム価格は約209万円

実に、デビュー時の新品実勢価格より、10万円以上高くなっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年11月
の新品実勢価格(3社平均)
2019年7月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ロレックス
GMTマスター2
126710BLRO
中古 0年
8ヶ月
¥1,971,093 ¥2,095,000 123,907 106.29%

この126710BLROの値動きは、116500LN白文字盤よりも優秀だといえるかと思います。

なぜなら、116500LNより不利な条件で、より大きな値動きをしているからです。

116500LNが登場したのは2016年3月のバーゼルですが、2016年といえば、8月に多くの時計が安値となった年であります。

筆者は、新品実勢価格の参考値として、一定の数が出回るデビュー年の秋頃の水準を参考としていますが、2016年の秋といえば、多くのロレックスが値下がり状態。つまり、安かった時期なのです。

それに対して2018年は、多くの腕時計が値上がりしている状況。つまり、高い時期といえます。

ですから、2016年に登場した116500LNより、2018年に登場した126710BLROのほうが値上がり難易度は高いといえるわけです。

また、その値動きも、126710BLROより、116500LNのほうが上。

2016年10月の新品実勢価格(3社平均)と2017年4月の中古では、その価格差は2017年中古のほうが667円高いという状況でした。

それに対して、126710BLROの2018年11月と2019年4月の変化では、5,307円の上昇となっているわけです。

というわけで、126710BLROという存在は、デビュー時から大注目かつ、かなり高い新品実勢価格だったものの、デビュー翌年の中古相場がデビュー時の新品実勢価格を上回るというすごいモデルであるといえます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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