プラチナのパテックフィリップといえば、用意されたモデルが限られるため、高価でレアという印象が強いといえます。
例えば、多くのラインナップがあるカラトラバでも、プラチナは一部モデルに限られますし、コンプリケーションでもそれは同様です。
左右非対称デザインが特徴的な、ムーンフェイズとパワーリザーブインジケーターのコンプリケーションといえば、今ではノーチラス5712という印象が強いと思いますが、それがデビューする2000年代中盤より前は、5054、5055、5085の3兄弟という印象がありました。
5055はモダンなデザイン、5085はブレスレットタイプでSSが用意されていた一方、プラチナが用意されていたのは5054だけだったのです。
そういったこともあって5054はこの3つのシリーズの中で最も上級という印象があり、人気度も高いと感じます。
5054の中では、やはりプラチナに特別な存在感を感じるわけですが、近年5054Pの中古はあまり売り出されておらず、目にする機会が少なくなったモデルだと感じます。
そんな5054Pが久々に中古市場に登場しているわけですが、その相場はどのような価格帯かというと318万円という水準。
というパテックフィリップとして、318万円がどういったものであるのか、ステンレスのノーチラスがさらに高い水準である今、そういった感覚からするとかなり安いとも感じてしまいます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2002年6月 の新品実勢価格(有名時計店) |
2019年7月 の中古安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
コンプリケーション 5054P |
新品 | 17年 1ヶ月 |
¥2,828,280 | ¥3,180,000 | 351,720 | 112.44% |
この5054Pという存在は、ワールドタイムの5110Pや年次カレンダーの5056Pなどとともに、「高くてレアなモデル」という印象だったわけですが、ワールドタイム唯一の青文字盤として高級な印象があった5110Pの定価より、実は5054Pの定価のほうがだいぶ高く、その差は100万円以上もあったのです。(2002年時点:5110Pが310万円、5054Pが454万円。税別)
しかし、今となっては5110Pの中古が350万円台である一方、この5054Pは310万円台で購入可能なのです。
5054Pは、当時の定価の観点でも、近年中古がめったに出てこないというレア感でもかなり魅力的な存在だといえます。
この5054Pは、この2年の間において、筆者が確認した中古は2本程度ですから、かなり入手難易度が高いモデルといえます。
とはいえ、これが欲しいと思っている人はそれほど多くなく、かつてあった存在感も、今となってはノーチラスには勝てないのでしょう。
ですから、この318万円という価格を見た筆者は「これぐらいの価格で買えるのか」と思ったわけです。