1999年に限定モデルとしてデビューしたパネライのクロノグラフモデル、PAM00052。
このモデルが、パネライ初のクロノグラフだといえますが、他の2つの限定モデルと、同時にデビューしています。
1999年にデビューした他のモデルは、1つが同じルミノールのWGモデル、もう一つがヴィーナスムーブメントを搭載したラジオミール。他の2つが高級かつ希少すぎて、あまり有名でないのに対し、この52番は、同じコンセプトの72番が2002年まで製造されたため、そこそこ知られているといえます。
バリエーションの中には、60番といったフライバッククロノなどもありますが、そういったモデルは、2002年のパネライブームの際、デイトナを凌ぐほどの「憧れのクロノグラフ」という印象があったといえます。
また、デイトナといえば、16520がエルプリメロを搭載していることで有名ですが、この時代のルミノールも同様にエルプリメロ。
ですから、なにかとデイトナと共通したキャラクターを持つ時計だといえます。
実際、2011年の相場は、16520黒文字盤もPAM00052も80万円台後半といった水準で、ほぼ同じ相場でした。
しかし、アベノミクス以降、デイトナが大きく値上がりしたのに対し、ルミノールクロノの値動きは、むしろ値下がり傾向となっていたのです。
2016年の時点では、16520の黒文字盤が120万円程度だったのに対し、PAM00052は60万円台という状況。
過去の相場の印象としても、時計自体のキャラクターでも、2016年7月の水準は安すぎるという印象になりますが、そのとおり、2017年には80万円台後半まで回復していたのです。
しかし、その後このPAM00052の相場は読み取るのが難しい状況へと変化。数が少ないこともあって、出るたびにバラつきがあるという印象でした。PAM00072を参考値としても、その水準は、あるときは90万円台、あるときは70万円台といったように、値上がりか値下がりかを判断するのは困難だったのです。
とはいえ、PAM00052のほうは、72番ほどの安値とはなっておらず、基本的には2017年の水準から大きく下がるということはなかった様子。
登場する個体が少なく記事化できずにいたのですが、今回久々に登場した52番を見ると、その水準は100万円以上になっているといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年5月 の安値(楽天) |
2019年7月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
ルミノールクロノ PAM00052 |
中古 | 2年 2ヶ月 |
¥898,800 | ¥1,080,000 | 181,200 | 120.16% |
PAM00052というモデルは、1999年に限定モデルとしてデビューしましたが、翌年“レギュラーモデル”として登場したPAM00072と、2016年頃までは大きく異なる相場ではありませんでした。
52番と72番の違いは、限定モデルか否かという他にも2つあり、1つは52番にデイトが無いという点、もう一つは文字盤の配色です。
PAM00072といえば、3つのインダイヤルが黒ですが、52番は銀。そのため、見た目的にも大きな差があり、限定モデルらしい希少性を感じることができると思います。
ちなみに、52番には、ベゼル部分にタキメーターがあるものと無いものが存在しますが、それは後から交換されたのか、それとも新品時点で2つの仕様があったのかは不明です。
これまでタキメーターの有無で相場が異なるという様子は見受けられませんでしたが、見た目的にはタキメーター有りのほうが人気要素だと思います。
ただ、その一方で、タキメーターなしの個体には、初期モデルらしい希少性を感じるともいえます。
現在のところ、数が少ない52番に対して、タキメーターという詳細部分が話題になっていることはない様子ですが、希少要素であることに違いはないでしょう。