1998年に久々に復活したジャンボサイズのノーチラス。
初代ノーチラス、3700/1Aこそジャンボでしたが、1982年に3800/1Aが出て以降、ノーチラスのメンズサイズは基本的に約33mmのミディアムとなりました。
3710/1Aは、世代的にはアクアノートの5065/1Aなどと同様で、新品時代の実勢価格も同じような水準。
当時の相場は、いずれも約90万円という価格で新品が購入できたのですが、中古品となるとノーチラスの数が少なく、実際に中古で購入しようとした場合、選択可能だったのは基本的にアクアノートだったといえます。
なぜそんなことが言えるかというと、当時実際に自分で購入した経験からなのですが、筆者はアクアノートを中古で約62万円、ノーチラスを80万円台後半ぐらいで新品購入しました。
いずれも、ラージサイズに相当する、ステンレスブレスレットを持つスポーツパテックだったといえますが、筆者としては、当時人気だったロレックスではなく、「次に人気となるモノを買おう」ということで、これらを購入。その選択は、これまでの中古相場を見ると大当たりだったと自画自賛してしまいます。
ただ、そういった値動きは、2019年になるとさらに上昇している様子。
新品約90万円程度で購入可能だったパテックフィリップは、これまで、中古200万円、300万円といった水準で「凄い」と感じましたが、2019年現在では、それよりさらに凄い状況となっているのです。
ノーチラスといえば、2017年以降かなり目立った値動きとなっていますが、この3710/1Aは2018年時点では既に500万円台という水準でした。
当時の価格帯としては、現行3針青文字盤の500万円台後半に対して、3710/1Aは500万円台前半というようにやや安いといった感覚がありました。
しかし、それから1年が経過した今となっては5711/1Aなどジャンボサイズのノーチラスはいずれも700万円以上となっているため、この3710/1Aが目立った値動きとなっていても不思議ではありません。
けれども、3710/1Aは以前にもまして数が少なくなっており、なかなか売り出されることがない様子でした。
そして今回、久々に3710/1Aが売り出されているのですが、その価格は約699万円という水準。
ちょうど1年前より、約161万円の値上がりとなっている状況なのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年7月 の安値(楽天) |
2019年7月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 3710/1A |
中古 | 1年 0ヶ月 |
¥5,380,000 | ¥6,998,400 | 1,618,400 | 130.08% |
新品90万円時代の様子を知る筆者としては、このノーチラスが今や700万円近い価格帯となっていることに驚くと同時に、これを所有している当時、憧れた時計よりはるかに高い価格帯になっており、感慨深い気持ちでもあります。
たとえば、この3710/1Aが90万円程度で手に入った2000年代前半、700万円もだせば、どの腕時計でも買うことができたと思います。
もちろん、700万円より高い時計が無かったわけではありませんが、「デイトナポールニューマン」など、一般的に人気の高い高価なモデルはいずれも購入可能だったわけです。
筆者は当時、それら高級モデルを眺め、憧れた記憶がありますが、今となってはその時代に所有していた時計が700万円近い価格になっているわけであるため、過去の自分に「キミの時計も、未来には700万円ぐらい」と教えてあげたいと思います。