2010年に登場したノーチラスの年次カレンダーモデル、5726/1A-010。
年次カレンダーというプチコン機能に対して、かつてはかなりな上級イメージがあり、その新品実勢価格はノーチラスの2倍以上という時代もありました。
また、5711/1Aの実勢価格が、YG3針カラトラバより高いという傾向もあったため、『年次カレンダーとノーチラス』という組み合わせは、デビュー年の2010年において、かなり高いという印象があったといえるわけです。
しかし、2017年以降、現行ノーチラスでは3針青文字盤の相場が特に目立って上昇。その結果、2018年には、この5726/1A-010より、5711/1A青文字盤(-001と-010)のほうが高いという状況へと変化。
2018年6月当時、5711/1A-010は500万円台後半という水準だったのに対し、この5726/1Aは約538万円という水準でした。
この時点では、年次カレンダーが高級要素だったということを忘れさせるぐらい、3針が強かったのです。
けれども、そんな年次カレンダーは今、3針とは比べ物にならないほどの高価格帯へと変化。
2019年7月現在、なんと5726/1A-010は、約1221万円という水準にまで上昇しており、2018年12月と比較して561万円も値上がり状態なのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年12月 の安値(楽天) |
2019年7月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 5726/1A-010 |
中古 | 0年 7ヶ月 |
¥6,609,600 | ¥12,219,600 | 5,610,000 | 184.88% |
ノーチラスの値上がりが目立っている現在、1000万円以上という水準はそこまで驚くと感じないかもしれません。
とはいえ、1000万円以上となっているのは、SSの現行モデルではクロノグラフの5980/1Aぐらい。2018年において、ノーチラス価格序列上位にいた5711/1A青文字盤が1000万円以上となっていないのはもちろん、目立って上昇気味のコンプリケーション、5712/1Aも1000万円以上ではありません。
この5726/1A-010は、2018年6月において、5711/1A青文字盤より安かっただけでなく、5712/1Aと比較しても安い価格序列に位置していました。
それが、2019年現在となっては、それらを大きく上回る状況となっており、価格帯でも、変動額でも、凄まじい様子に変化。『年次カレンダー×ノーチラス』の凄さを3針に対して見せつけられたような感覚があるといえます。
これまで、この5726/1A-010に対してこれほどの凄みを感じたことはありませんでしたが、2019年の今では5980/1A並の価格帯へと変化。
その変動額である561万円は、2018年6月時点の本体価格、約538万円をも上回る状況であるのです。
最近、ノーチラスにおいてコンプリケーションが大きな変動となっていると感じている旨は、以前の記事でもお伝えしましたが、この5726/1Aの事例もまた、そういった傾向を示していると思います。