日本でも、世界的な視点でも人気が高いブランドという印象があるIWCですが、その人気度に反してあまり大きく値動きしないという傾向があります。
この「値動きしない」というのは、ある意味徹底しているようにも感じ、リーマンショック後という全体的に安い時期でも、現在のように多くの時計が値上がり傾向となっている時代でも、多くのモデルの中古相場がそれほど変わっていないという特徴があります。
ですから、現在のように多くの腕時計が高いと感じる時代において、「値上がりした状態で買いたくない」と感じている方々にとっては、IWCという存在は、まさに買いやすいといえるわけです。
けれども2018年、そんなIWCに変化が生じてしまったのです。
それは、IWCにおいて多くのモデルが値上がり傾向となった点。値上がりといっても、「数十万円単位」といった派手な動きをしたわけではありませんでしたが、それでも、これまでのIWCの様子からすると、随分大きな変化だったといえます。
例えば、このIW370607は、2018年において、2017年6月から約10ヶ月の間で約3.8万円の上昇となったのですが、それは2009年から2017年までの約8年間で動いた額を若干上回っていたのです。
10ヶ月で3.8万円の値動きといえば、最近派手に動いている腕時計と比較するとかなり地味だといえますが、8年分の動きに相当するということを考慮すると随分な変化だったといえます。
しかし、そういった動きをした場合、副作用のように、再度もとの価格帯へと戻ってしまうということもあります。
その答えは、2018年から1年経った現在において確認する事ができるといえるのですが、現在の動きが値下がりとなっていたら、2018年の動きは「たまたま」だったとなってしまいます。
けれども、このIW370607は、2019年7月現在でも2018年の水準を下回っていない様子。
2018年4月と比較して変動した額は約2000円ですが、きちんと値上がりとなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年4月 の安値(楽天) |
2019年7月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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IWC
メカニカルフリーガー クロノグラフ IW370607 |
中古 | 1年 3ヶ月 |
¥319,680 | ¥321,840 | 2,160 | 100.68% |
この記事の個体はABランク以上ですが、ブレスレットがやや短めとのこと。
ですから、ブレスレットの長さが通常の個体を例とするならば、その水準は34.8万円となり2018年と比べて3万円程度の値上がり状態となります。
ブレスレットの短い個体でも、2018年4月と比べて若干の値上がりとなっているとや、その次に安い個体が34.8万円ということから、このIW370607は、2019年現在でも値上がり傾向といえるのではないでしょうか。
このIW370607というモデルは、2001年頃現行だったモデルですが、人気の高いモデルという印象で、当時の新品実勢価格はサブマリーナノンデイトの14060Mと同様でした。
値上がり傾向といっても、現在の価格帯は14060Mの半額以下という状態。ですから、このIW370607という存在は、やはり全体的に高いという印象の今においても、過去価格とほぼ変わっていないため、値上がりした時計を買うのがいやだと感じる方にとっては、かなり狙い目だと感じます。