2019年に入ってから、スポーツ系モデルの値上がりが目立っているパテックフィリップ。
特に目立って値上がりしているのは、ノーチラスのコンプリケーションモデルですが、これまであまり派手な値動きとはいえなかったアクアノートの上昇も目立っています。
そういった傾向は、8月現在も同様。ロレックスの場合、7月に起こった116710BLNRの値下がりに象徴されるように、いくつかのモデルで値下がり傾向だったり、安い個体が出るなどの現象がありますが、パテックフィリップの場合は依然として値上がり傾向です。
そして、その値上がりがまた、随分と派手であり、先日お伝えしたノーチラスなどは1ヶ月で70万円という値動きをしているぐらい。
それは、今回の記事でお伝えする5167Rも同様なのですが、その値動きした額は、なんと約241万円という水準であるのです。
金無垢アクアノートといえば、以前の印象だと第一世代は200万円台、現行世代は300万円台という印象があったため、この「241万円」という額は、本体価格と感じてしまうところですが、これは、2018年10月から2019年8月までの10ヶ月間で変動した額であるのです。
5167Rは、2016年11月に304万円という水準でしたが、その際は2015年と比べて60万円以上の値下がり状態でした。
その後、5167Rは反発するものの、値上がりしたと思ったら、また値下がりするなど乱高下気味な傾向があったのです。
数十万円単位の値下がりと値上がりを繰り返していたものの、2015年以降の水準は、おおよそ300万円から380万円の間に収まります。
しかし、いまやそんな5167Rは500万円以上という水準。
もはや、かつてとは比べ物にならないほどの価格帯に位置しているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年10月 の安値(楽天) |
2019年8月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
アクアノート 5167R-001 |
中古 | 0年 10ヶ月 |
¥3,580,001 | ¥5,997,600 | 2,417,599 | 167.53% |
この500万円台という価格帯ですが、つい最近まで、ホワイトゴールドの5168Gの価格という印象でした。
いまや5168Gは700万円台という水準になっているわけですが、いずれも随分な上昇となっています。
5167Rは、2016年に大幅に値下がりした際、その水準は304万円となったのですが、その時点でもそれほど「安い」とは感じませんでした。
その理由としては、同じラバーベルトの第1世代のYGモデルの場合、300万円台という価格帯は考えられなかったということや、RGのコンプリケーションモデルと比べても高いという点があります。
実際、仮にこの5167Rが、今300万円だったとしても、これより安いコンプリケーションモデルは多々存在し、その中には年次カレンダーも含まれます。
ただ、ノーチラスがそれらモデルより高いのと同様に、人気のあるモデルが、本来高級なモデルより高いというのは全く珍しくありません。
実際、定価の観点では、この5167Rより、ノーチラス5711/1A-010のほうが安いわけですが、時計ファンの常識としては5711/1Aのほうが高いということが自然と感じるでしょう。
そして、そのような人気モデルの場合、その時点では割高と感じたとしても、その後さらに高くなるという現象は珍しくないのです。
まさに、今回の5167Rもその事例だといえるわけです。
ただし、5167Rの場合、これまで乱高下気味だったのが、一気に急上昇というのが、他の「割高人気モデル」と異なる部分だといえます。