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現在相場考察

ノーチラス初のプチコンプリケーション、5712/1A

2016年5月14日更新
パテックフィリップのノーチラス5712/1A-001について斉藤由貴生が執筆。本記事では2011年12月の安値(ヤフオク)と2016年5月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この4年5ヶ月での変動は¥570,000だった。

ノーチラス ムーンフェイズパワリザ 5712/1A-001についての考察(2016年5月)

ノーチラス初のプチコンモデルとしてこのモデルが登場したのは2005年の事です、と言いたいのですが05年に登場したのはコレとそっくりの3712/1A。そっちはすぐに生産終了してしまいました。5712と一番の違いはなんといっても竜頭でしょう。

(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2011年12月
の安値(ヤフオク)
2016年5月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
ノーチラス
ムーンフェイズパワリザ
5712/1A-001
中古 4年
5ヶ月
¥2,980,000 ¥3,550,000 570,000 119.13%

ノーチラス、一番の特徴はなんといってもプッシュ式の竜頭です。

防水機能を売りにしている時計なのに、ねじ込み竜頭じゃなくて大丈夫?って心配になりますが、プッシュ式の竜頭で防水だぜ!ってのがノーチラスの良さだったのです。

ちなみにジャンボノーチラスとして98年に復活した3710/1Aノーチラスパワーリザーブ)もプッシュ式の竜頭。

私も所有していましたが、とても怖くて水につけることはできませんでした。

そのため見た目がそっくりでも“3712”のほうは約500万円。

ねじ込み竜頭となってしまったこの5712より約200万円も高いのです。

ちなみに、このプチコン仕様のノーチラスですが基本的に、

  • 5054
  • 5055
  • 5085
  • と同じ、パワリザ&ムーンフェイズ

    上記の3つは90年代からあるプチコンなので、それと全く同じ配置の文字盤ノーチラスが出た時は、ノーチラスにコレ移植しちゃう??

    って思いました。

    しかも、その当時既にノーチラスは高値傾向になっていたので、プチコンノーチラスが出回った時、最初から高めな流通相場だったのです。

    しかも3712のほうはほぼ流通すること無く短期で生産終了。

    この5712が出た時は2006年でしたから、今で言う黒青ベゼルのGMTマスター2のように、高い時期に高い時計として出たため、「それ以上値上がりするの?」と思うぐらいの価格で最初から取引されています。

    とはいえこの5712、2011年にギリギリ300万円を切る相場でした。

    よってそこから約50万円ほどの値上がり。

    50万円、というと結構な値上がりですが、近年100万円以上値上がりするのも“普通”なパテックフィリップにしてはちょっと弱めな値上がりです。

    要するに、それだけ最初から流通価格が高かったのです。

    しかしながら、この手の時計は「高い」と感じてもその時より高くなる現象が起こりうるので要注意。

    まさにいま500万円という相場の3712がそれですね!

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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