2013年にデイトナ初のプラチナモデルとして登場した116506は、そのキャラクターとしても相場的にも「かなり高い時計」という印象がありますが、それでも2016年における中古相場は500万円台という水準でした。
2019年では、この116506は700万円台という水準に位置しているため、かつての500万円台という水準が「安い」と感じるわけですが、2016年頃までの常識では、こういった価格帯の時計が大きな価格変動をするといった事例がなかったため、「700万円台になる」なんて想像もつかなかったといえます。
90年代後半から、高級腕時計が値動きするという現象がありましたが、当時それに該当したのは、“かなり高い”という印象のモデルでも、せいぜい100万円から200万円といった価格帯。
その後は、その上限値が上がる傾向であったものの、変動は現在ほど早い変化ではなかったため、2016年時点でも「500万円」となると活発な動きに該当しないという感覚があったのです。
しかし、今やノーチラスのコンプリケーションモデルが1000万円以上となっているように、2017年以降、そういった「活発な値動き」に該当する上限価格帯は、2016年からかなりなハイペースで上がったといえます。
実際、この116506も2017年以降、目立った値動きを何度も繰り返しており、500万円台⇒600万円台⇒700万円台というように変化してきたわけです。
そして、この116506は今の「700万円台」という価格帯でも、やはり目立った価格変動が起こっている様子。
ただし、現在におけるそれは、これまでの値上がりとは異なり、値下がりとなってしまっています。
最近、カラーベゼルなど、近年人気の現行世代が、ピーク時から下落といった値下がりをしていますが、それは700万円台という価格帯のプラチナデイトナでも同様であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
|
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年1月 の安値(楽天) |
2019年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトナ 116506 |
中古 | 0年 7ヶ月 |
¥7,675,000 | ¥7,350,000 | -325,000 | 95.77% |
2017年12月から2019年1月までの1年1ヶ月という期間で、この116506は「約660万円⇒約767万円」という変化を果たし、約106万円の値上がりとなっていました。
けれども、そんな2019年1月から7ヶ月が経過した今、この116506の中古相場は32万円ほど下落しており、まさに他の人気モデルと同様「ピーク時より安い」という様子になっています。
最近値下がりしたモデルに共通するのは、2019年上半期にピークを迎え、現在ではピーク時より落ち着いた印象という点。この116506もそうであるように、2018年の水準を下回っていないという傾向も、多くの値下がり人気モデルに共通しているのが興味深いと感じます。