カレラは96年、モナコは97年に復刻されましたが、その後は一度も途切れることなく、人気シリーズとしてラインナップされ続けています。
むしろ、2000年代からはタグホイヤーの中心的なラインナップとなっているため、今やかつてのような「特別感」をこれら2つのシリーズから感じることはないといっても過言ではありません。
そういったことから、カレラやモナコの初期世代は、2016年頃まであまり評価されておらず、2013年以降、多くの時計が値上がりしていたにも関わらず、10万円台前半という水準で入手可能だったのです。
それが2017年頃から、カレラやモナコの復刻初期世代は評価されるようになり、2018年にはカレラが30万円台、モナコが20万円台後半まで上昇しました。
ちなみに、かつてはカレラよりモナコのほうが評価されていたのですが、その理由として「5000本の限定モデル」だったからという点があります。
カレラも当初は限定モデルとして出たのですが、その後そのままの形で継続販売。反面、モナコは限定が解除された際、モデルチェンジされたため、97年デビューのCS2110だけは5000本の限定で終了したのです。
けれども今、なぜモナコよりカレラのほうが評価されているのかというと、その理由として大きいのは、オリジナルに近いか否かということだと思います。
1996年カレラの場合、1964年モデルを忠実に再現したのに対し、97年モナコにはアレンジが加えられています。
それでも、この時代のクラシックスシリーズとして、CS2110モナコのアレンジは違和感なく、それはそれで魅力的だと感じます。
ただ、現在では「伝統的なモナコ=青文字盤」というイメージが強いため、黒文字盤モナコは、たとえCS2110だったとしても、あまり評価されないのかもしれません。
そういったことが影響してか、このCS2110は1年ほど前と比較して7万円ほどの値下がり状態。
2018年に20万円台後半まで上昇したこの時計は、今や20万円台前半という水準で購入可能となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年7月 の安値(楽天) |
2019年8月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
タグホイヤー
モナコ CS2110 |
中古 | 1年 1ヶ月 |
¥289,440 | ¥219,240 | -70,200 | 75.75% |
2019年7月から、ロレックスの現行人気モデルを中心に値下がりが目立っていますが、それら時計の値下がりは、ピーク時からやや下落という傾向があります。
それに対してこのモナコは、ピーク時から下落というよりも、なかなかの値下がりとなっているように感じるといえます。
ただ、2017年3月の段階で、このCS2110は約18万円という水準だったため、20万円台をキープしている今の水準は、2017年3月を上回っています。
このCS2110という、復刻第1世代のモナコは、マス受けしないキャラクターである反面、マニアックな時計好きにはツボな1本だと感じます。