1995年にデビューしたパシャCは、カルティエの有名モデルだった反面、2016年頃には生産終了となっています。
そんなパシャCですが毎年クリスマスには、限定モデルが出ることもかつては有名で、毎年異なるモデルに注目していたという方もいるかもしれません。
とはいえ、そういったクリスマス限定モデルは、女性を意識したデザインとなっており、パシャCが男性用というイメージ強かった時代でも、限定モデルには女性向けともいえるデザインが採用されています。
ちなみに、自動車雑誌「カーグラフィック」には、90年代後半頃、パシャCの広告が複数号に渡って登場。掲載されている他社の広告含め、カーグラフィックの主な読者層は「男性」と判断できるため、カルティエ自身も、その時代、パシャCを男性にアピールしていたと捉えることができるわけです。
そんなクリスマス限定ですが、その初代だと考えられるのが、99年に登場したこのW3104645。
ブラックシェル文字盤が特徴的なこのモデルは、クリスマス限定モデルとしては、おそらく最も有名で、今でも一定のファンがいる様子です。
実際、このモデルには、あるカスタマイズをされた個体が一定数登場するのですが、その内容はなにかというと、ブレスレットが単体購入されているという点。
パシャCといえば、ブレスレット仕様が当たり前というイメージですが、クリスマス限定モデルは99年のこれを含めて、その多くがベルト仕様。
それぞれベルトの形状にも特徴があり、この99年クリスマス限定も、メタリック調のデザインが施された革ベルトとなっています。
革ベルトだと女性用という印象となるこの時計ですが、これをブレスレットにすると当時のパシャCと同じような感覚になり、まさに男性用という印象が加わります。
実は、このクリスマス限定を2000年に見た筆者も、「ブレスレットだったら自分も着けたい」と思ったのですが、そう思った方は以外と多かったようで、ブレスレット付きの中古を目にする傾向があるのです。
さて、今回のこの個体も、まさにブレスレットが付属しているのですが、これはW3104645に元からついていたわけではなく、かつて所有されていた方が別途購入したものだと思われます。
ブレスレット仕様の個体は、革ベルトが付属しないことが多いのですが、この個体の場合、本体には革ベルトが装着されていて、ブレスレットは別に付属するというのが珍しいと感じます。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年5月 の安値(楽天) |
2019年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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カルティエ
パシャC W3104645 |
中古 | 1年 3ヶ月 |
¥159,840 | ¥228,000 | 68,160 | 142.64% |
この99年限定のパシャC、長らく20万円台という水準に位置したのですが、2018年5月前後には10万円台半ばという個体が登場して以降、10万円台の個体が複数出ている様子でした。
2018年に10万円台となったため、今の水準は値上がりとも感じてしまうところですが、これは以前に戻ったというほうがしっくりきます。
実際、腕時計が全体的に安かった2012年5月という時代でも、このW3104645は21万円という水準。
2012年当時も今も、通常版パシャCは10万円台前半から中盤という水準ですが、このW3104645だけは2018年に大きく値下がりしていたのです。
ただし、2018年の個体には別売りのブレスレットが付属していないため、今回のようにブレスレット付きの個体は、高い傾向があるといえます。
とはいえ、2012年の水準はブレスレットが付属しなくても20万円台だったため、今の水準はやはりそこまでの値上がりではないといえるかと思います。