2019年7月頃から値下がり傾向が目立っているロレックスですが、パテックフィリップに関しては8月現在でも値上がりしているモデルが目立つ印象です。
もちろん、パテックフィリップでも値下がり傾向モデルがないわけではなく、むしろ大人気といえる印象の現行世代3針は、最近値下がりともいえる様子。
しかし、それでもまだ値上がりしているモデルが目立っており、それらモデルには「人気要素と、程よいマニアックさが備わっている」という感覚があります。
先日お伝えしたアクアノートの5065/1Aもまさにそういった印象に該当するといえるのですが、旧世代のスポーツパテックは、現行モデルと比べると、その存在を知っているという人が少ないと感じます。
けれども、現行世代にはないパテックフィリップの独特な魅力が旧世代のアクアノートやノーチラスからは感じられ、その印象は、かつての4桁スポーツロレックスのようだとも思うわけです。
さて、そんな旧世代のスポーツ系として、アクアノートの5065/1Aと同じ時代に存在したのが、ノーチラスの3800/1A。
3800/1Aは1982年からのロングセラーだったため、1998年デビューの5065/1Aと同世代といえるかは微妙と感じる方もいるかもしれませんが、2004年頃までノーチラスといえば3800/1Aという印象があり、当時もアクアノートと比較するという文脈があったため、同世代といえるかと思います。
ちなみに、3800/1A黒文字盤や3710/1Aは98年頃デビューであるため、確実にアクアノートと同世代だといえます。
さて、その頃の3800/1Aに対して、強いキャラクターだと感じるのは、長いノーチラスの歴史でも3800/1A時代にしか存在しなかった黒文字盤ローマンという印象がありますが、筆者としては白文字盤も特徴的だと思っています。
白文字盤は、現行モデルでも5711/1A-011という存在があるため、特に3800/1Aが珍しいとは感じないかもしれません。けれども、3800時代と現行世代では、若干印象が異なるのです。
その印象の違いをもたらすのが、バーインデックス&針の“色と細さ”であるのですが、現行世代が『黒で太い』のに対し、3800は『銀で細い』という違いがあるのです。
現行の白文字盤がカジュアルな印象であるのに対し、3800はフォーマルだといえるのですが、その独特さがまさに旧世代ならではの良さだといえるかと感じます。
ですから、この3800/1A-011というモデルには、まさに「マニアック」という要素があるわけで、現在の大人気シリーズ“ノーチラス”というという知名度の中に、ある種のマニアック要素があるのが面白いといえるわけです。
そして、その「マニアック」という要素の通り、この3800/1A-011は2019年8月現在でも値上がり傾向となっており、3月と比べて27万円以上の上昇となっている様子です。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年3月 の安値(楽天) |
2019年8月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 3800/1A-011 |
中古 | 0年 5ヶ月 |
¥3,300,480 | ¥3,580,000 | 279,520 | 108.47% |
今回の値動きは、“5ヶ月で27万円以上の上昇”という様子ですが、前回お伝えした時点では“1年少しで80万円以上の上昇”という様子でした。
そういった意味では、以前よりも値動きはやや落ち着いているとも感じるわけですが、人気モデルの多くが値下がり傾向となっている中、順調に値上がりしているのが凄いとも感じます。
ただ、アクアノートの5065/1Aと比べると、現在水準も、値動きの派手さも負けてしまっています。
2018年頃までは「アクアノートより高い」というポジションだっただけに、今の3800/1Aの様子は値上がり傾向が凄いと感じる一方で、かつてほど強くないともいえるかと思います。