90年代にリシュモン入りしたパネライが、その「パネライ」という世界観を1本の時計で世の中にアピールしたといえるわけなのですが、その時計こそPAM00021というモデルです。
PAM00021は、ロレックスのデットストックムーブメントを搭載し、47mmという巨大サイズ。それでいてプラチナ製という内容でした。
ロレックスのデットストックムーブメントを搭載する時計が珍しいのはもちろん、そのムーブメントを搭載する歴史の正当性も存在し、さらにそれを当時見慣れない巨大サイズで制作するというインパクトはなかなかのものだったといえます。
この巨大サイズも、単に奇をてらっただけでなく、軍用時代の名残という正当性があるため、まさにこのPAM00021は、このモデル1つで「パネライとはなにか」を語りかけたといえます。
しかし、そんな特殊なモデルの流通本数は少なく、高価格であるということを除いたとしても、入手難易度はなかなか高いというのが現実です。
パネライといえば、2002年頃から日本では時計に詳しい人を中心に流行しましたが、2000年代半ばともなると、多くの人にそのブランド名が知られていた様子でした。
そのような時代において、パネライはもう一度PAM00021の記憶を蘇らせるかのように、PAM00021の復刻モデルともいえる存在をデビューさせたのです。
それこそが、このPAM00232という存在であるのですが、これは21番の見た目をそのままに一般化させたようなモデル。
同じ見た目ながら、ケース素材はステンレスで、ベースムーブメントはETA(ユニタス)を採用。
ただ、通常モデルとしての販売ではなく、限定版として特別販売したため、その存在感はかなり高いともいえます。
ですから、価格帯はSSラジオミールとしてはなかなか評価されている水準にいつの時代でも位置しており、長らく60万円台後半という傾向がありました。
しかし、2018年になると60万円台前半の個体が登場したりするなど変化した様子となっていたのです。そして、ついに12月になると50万円台の個体が出現。
その時点では、60万円台後半を大きく下回る個体が複数あったため、値下がり傾向といえる様子だったわけです。
そんな232番は2019年の今、どのような状況となっているかというと、やや回復傾向となっている様子です。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年12月 の安値(楽天) |
2019年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
ラジオミール PAM00232 |
中古 | 0年 8ヶ月 |
¥598,000 | ¥630,000 | 32,000 | 105.35% |
今の時代、このPAM00232をうんちく抜きで見てしまうと、単に大きなラジオミールという感想になってしまうかもしれませんが、先のように232番は重要な要素があるわけです。
そういった意味では、評価されていても不思議でないわけですが、なぜか2018年に目立って安くなっていました。
2018年といえば、パネライのレギュラーモデルが目立って値下がりしていた一方で、この232番のようなマニアックなモデルはその限りではなかったのです。
そういった中で、232番はなぜか値下がりとなっていたわけなのですが、2019年の今、やや回復しているのが興味深いと感じます。