値動きする時計といえば、ブランドを問わずスポーツ系という印象があり、実際パテックフィリップでも、目立った動きをするモデルはノーチラスという印象があります。
ノーチラスやアクアノートが値動きする一方で、カラトラバなど、特にオーソドックスな存在はあまり値動きしない傾向があります。
もちろん、カラトラバでも、96の黒文字盤やトロピカルといったように、オーソドックスとは逆の要素があるモデルは値動きする傾向がありますが、そういったモデルは例外的という印象があっても仕方がないかもしれません。
しかし、そんなカラトラバでも、この5296G-001は2018年頃から目立った値動きする傾向があり、その価格帯は220万円台という水準に達していました。
220万円といえば、アクアノートのブレスレットモデル5066/1Aといったように、人気要素のあるスポーツタイプが購入可能ですし、年次カレンダーといったコンプリケーションモデルも射程圏内という金額です。
3針のカラトラバは、そういったモデルらと比較して安い価格帯に位置すると思わがちですが、この5296G-001に関してはその限りではないのです。
5296G-001は、パテックフィリップ、ましてカラトラバとしては、かなり珍しいデザインが採用されており、かなり目立つ1本だといえます。
そういった強い特徴から、2000年代にはあまり人気がなかったと感じましたが、2010年代後半の今となっては、その「強い特徴」はポジティブな印象となっているようなのです。
さてパテックフィリップといえば、最近、現行世代のノーチラスなど値下がり傾向となるモデルが出てきましたが、この5296G-001はどのような様子になっているのでしょうか。
この5296G-001は、2018年9月に225万円という水準でしたが、それから1年後の2019年9月現在では、約224万円という水準。
この1年で相場はほぼ変わっていないといえる様子であります。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年9月 の安値(楽天) |
2019年9月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
カラトラバ 5296G-001 |
中古 | 1年 0ヶ月 |
¥2,250,000 | ¥2,246,000 | -4,000 | 99.82% |
5296G-001には、現在この記事の個体より安いモノが存在しますが、それはBランクであるため、ABランク以上の個体としてはこの記事の個体がボトムとなります。
カラトラバ、まして5296G-001のようなモデルでBランクの個体は珍しいため、一見すると値下がりかと思うところですが、Bランクの個体は文字盤にもシミがあるなどのダメージがあります。
ちなみにこの5296には、この記事の個体のように文字盤デザインが特徴的な「-001」と、シンプルな文字盤の「-010」があります。
-001は2018年の様子だと、-010より高いと判断することができましたが、2019年の今ではなんと「-010」のほうが高い模様。
実際、5296G-001が約224万円であるのに対し、5296G-010は約235万円という水準です。
この5296G-001に対する高評価は、特徴的な文字盤が評価されているからなのかと思いましたが、上記の事情を考慮すると、文字盤に対する評価というよりも、センターセコンドの現行世代カラトラバが評価されているのかもしれません。