現行当時、スポーツ系の不人気モデルという印象だった16710ですが、生産終了後には一転、人気モデルというキャラクターに変化。
今ではGMTマスターシリーズは、旧世代、現行問わず、いずれも大人気という状況となっているのはご存知の通りでしょう。
さて、人気モデルといえば、細かい仕様違いが“ものすごい評価を生み出す”という現象があり、例えばそれは、デイトナ16520の最終モデル「P番」などが有名です。
そして、そのような「高値要素」は、やはり16710にもあるわけで、特に最終モデルの「M番」は2000年代後半から中々な評価となっている様子です。
このM番は、2007年製造のモデルに該当するわけなのですが、この16710が生産終了となったのがまさに2007年。
生産終了年イコール最終品番となるモデルは、実は少数派で、16520とこの16710ぐらいしか無いと思います。
その2つに共通するのが「モデルチェンジが3月(バーゼル)ではなかった」という点。
16520から116520も、16710から116710LNへのモデルチェンジも夏頃に行われたため、この2つに関しては、生産終了年に生産された個体が存在するわけです。
それこそが、16520のP番、16710のM番であるのですが、これら最終世代には、レア仕様があるということが共通しています。
実際16710M番のレアな「差」はかなり大きいといえるのですが、なぜかというとムーブメントが違うから。
同じ16710でも、M番には、次世代に搭載される3186が搭載されていたのです。
この3186は、M番の1つ前の「Z番」の途中から採用されたらしいのですが、いずれにしても数が少なく、なおかつ最終ということで特にM番は評価されている様子です。
そのため、2017年2月の段階でも、この16710のM番は、すでに約188万円という水準に達しており、通常の16710よりかなり高い価格帯となっていました。
2017年2月頃、通常の16710は約89万円という水準だったため、M番は一般的な個体に対して100万円程度の付加価値があたといえます。
さて、そんな2017年から今では、2年以上の月日が経過したわけですが、最近のM番はどのような水準になっているのかというと、228万円という水準にまで上昇している様子です。
本記事で参考とした中古腕時計
|
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年2月 の安値(楽天) |
2019年9月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
GMTマスター2 M番 16710 |
中古 | 2年 7ヶ月 |
¥1,888,000 | ¥2,280,000 | 392,000 | 120.76% |
2017年といえば、多くの腕時計が高くなった年といえますが、2月時点では「これから上昇する」といったところで、目立った上昇をしているモデルは16520など一部に限られました。
実際、16710M番の約188万円という水準の時代、ノーチラス5711/1A-010は300万円前後に位置していたわけです。
それを考慮すると、16710M番の印象は、2017年と2019年とでは異なる感覚ともいえます。
現在より“安い”2017年のほうが、体感的には“高い”と感じたと思います。
2017年、2018年、2019年上半期とロレックスの人気モデルは目立った上昇という値動きをしていましたが、16710に関しては、それまでの上昇傾向を考慮すると、意外と大きな価格変化をしていなかったといえるのではないでしょうか。