見た目はGMTマスター2とほぼ変わらないため、近年まで同じ世代の16710より安い価格帯に位置していましたが、今では16710より高い水準に位置する様子があります。
16700は、その「II」表記のない文字盤を見て、初めて「GMTマスター」のほうだと分かるわけですが、その僅かな差こそ、腕時計ファンにとって重要だと感じます。
GMTマスター2の見た目とコンセプトが「GMTマスター」と変わらないため、1956年の初代モデルから、現行世代まで続くという印象がありますが、実は「GMTマスター」という存在自体は、1999年に終了しているのです。
ですから、GMTマスターの最も近代的なモデルがこの16700となるわけで、「II表記」がない文字盤に限らず、その歴史的背景なども含めて魅力的な存在だと思うわけです。
けれども、そういった魅力があるにも関わらず、近年まで、16700の価格帯は16710よりも下というのが当たり前。
また、16700の最終品番であるA番に関しても、特に「A番だから」といって評価されるわけではなく、2016年において、A番が16700全体のボトム価格だったということがあったぐらいです。
それが今では16700は、16710よりも高い価格帯に位置し、A番も通常モデルより「やや高い」価格帯に位置するなど、かつてとは異なる様子となっています。
そして、この1年の間でも16700はきちんと評価されており、16710以上の価格変動となっている状況です。
本記事で参考とした中古腕時計
|
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年8月 の安値(楽天) |
2019年9月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
GMTマスター
青赤ベゼル 16700 |
中古 | 1年 1ヶ月 |
¥928,000 | ¥1,080,000 | 152,000 | 116.38% |
2018年8月において、この167100青赤ベゼルの水準は約92万円だったのですが、2019年9月現在では108万円という水準。
1年1ヶ月で15万円程度の上昇となっている様子です。
16710は、2019年4月の時点で「100万円以上になった」という様子でしたから、100万円以上という水準に先になったのは16710のほう。
しかし、今では16700も100万円以上になっており、その価格帯も16710以上となっている状況へと変化しているのです。
2019年7月以降、多くのロレックスがそれまでの上昇傾向から一転して、下落傾向となりましたが、そういった値動きに該当するモデルの多くは、現行世代という要素があります。
それに対して、旧世代であるなど、マニアックな要素を持つモデルは依然として値上がり傾向が続いているモデルが目立つなど、7月以降はマニアックよりなモデルが強くなったという印象があります。