2019年7月以降、それまで目立った上昇傾向となっていたモデルの多くが、値下がり傾向へと変化しました。
それらに共通するのは「人気な現行世代」という要素。“多くの人が求める”というモデルが値下がりした印象です。
その反面、「マニアックな旧世代」は、あまり値下がり傾向とはなっておらず、それどころか値上がりするモデルも多々見かけられたぐらいです。
特にパテックフィリップでは、ノーチラスの3800世代やアクアノートの第一世代など、旧世代に該当するモデルにそういった傾向があると感じます。
けれども今、そういった「マニアックな」要素を持つモデルでも、なんと値下がり傾向となっているものが存在。
それこそがノーチラスの5800/1Aであるのですが、これは「2ピース構造で裏スケ」という強い要素を持つレアノーチラスです。
2006年デビューであるため、まだ旧世代という印象ではないものの、デビュー数年で生産終了となったため、現行世代的なキャラクターではないといえます。
5800/1Aはかなり濃い要素かつレアなモデルであるため、2017年や2018年において、5711/1Aより高い価格帯に位置したのですが、2019年に5711/1Aが急上昇した後は価格序列が逆転しています。
けれども、そんな5711/1A-010も、今や値下がり傾向になっているため、再度5800/1Aのほうが高いという状況になっても不思議ではありませんでした。そうであるにも関わらず、5800/1Aは随分な値下がりとなってしまった様子であるのです。
2019年7月において、この5800/1Aは約782万円という水準だったのが、9月の今では598万円。
実に2ヶ月で180万円以上も安くなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年7月 の安値(楽天) |
2019年9月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 5800/1A-001 |
中古 | 0年 2ヶ月 |
¥7,825,000 | ¥5,980,000 | -1,845,000 | 76.42% |
5800/1Aは、2017年6月の段階で約429万円という水準だったのですが、当時は5711/1A-010でも400万円台という水準には到達していませんでした。
そして、2018年夏頃には、5711/1A-010が500万円台後半という水準まで上昇したのですが、その段階で5800/1Aは約691万円という水準になっていました。
ですから、2018年まで5800/1Aは、レアノーチラスという印象の通り、5711/1Aより評価されていたわけなのです。
それが2019年5月に5711/1A青文字盤が目立って値上がりしてからは、それより安いという価格序列へと変化。
5711/1Aが値下がり傾向となった今では、なんと5800/1Aは500万円台後半という水準にまで下落してしまっているのです。
この水準は2018年7月時点よりも安いため、他の値下がりモデルと比較してもかなり目立った下落だといえます。
以前の記事からお伝えしているように、最近下落したモデルの多くは「ピーク時から落ち着いた」という表現が適当といえ、実際値下がり傾向でも、2018年の水準まで下落していない様子があります。
まさに5711/1A-010もそういった傾向であり、値下がり傾向な今の水準でも、『2019年において2番目に高い水準』であるわけです。
それに対して、この5800/1Aは2018年の水準を下回っている状況。ちなみにこれは、現在売られている“2番目に安い個体”を対象としても同様です。
5800/1Aは、個体数の少なさから、2018年頃まで中古を見かけること自体が少ない傾向がありましたが、2019年になると長期に渡って複数個が売り出されているなど、入手難易度が低くなった印象だといえます。
5800/1Aというレアさからすると、なぜ今のような評価になったのか、その理由は謎ですが、5711/1Aよりはるかに安い状況の今、お得感があると感じます。
現在の水準が「安かった」のか否かは、将来、その答えが分かることになるのでしょう。