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現在相場考察

200万円台になった、ルミノールクロノPAM00060

2019年9月11日更新
オフィチーネパネライのPAM00060について斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年6月の安値(楽天)と2019年9月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この2年3ヶ月での変動は¥790,620だった。

ルミノールクロノ PAM00060についての考察(2019年9月)

パネライがリシュモン時代となってから、比較的初期の時代に存在したルミノールクロノ。

ルミノールのクロノグラフは、近年でも存在しますが、初期時代におけるそれは一味違うものだったといえます。

なぜなら、搭載されているムーブメントがエルプリメロだったから。

また、エルプリ搭載ということに限らず、その他にも多くの特別感がありました。

腕時計本体の要素としては、使用している素材がチタンとステンレスのコンビといったような凝ったモノであったり、当時のパネライとしては珍しかった裏スケ仕様だったという点があります。

しかし、そういった、時計本体に示された要素以上に、大きな「特別感」が当時のルミノールクロノには存在。

それこそが、「高級モデル」というキャラクター性です。

2000年代前半まで、パネライには「最高級シリーズ」が存在していたのですが、主にラジオミールがそれに該当。当時のパネライにおいて、裏スケという仕様は、ラジオミールを中心とした高級モデルにのみ許された仕様だったのです。

このルミノールクロノも裏スケであることから、まさに当時の高級モデルだったということが分かりますが、それはゼニスベースのムーブメントが採用されているということも分かります。

2001年まで、裏スケとなるモデルは、ゼニスベース、フレデリックピゲベースなどに限られていたのです。

ですから、そのような時代において、ラジオミールルミノールクロノという存在は、まさにパネライの最高級モデルという印象があり、どちらも「高いパネライ」というイメージでした。

そして、そういった存在の中でも、限定モデルは、さらに上の高級感となるわけで、ある種の雲上感があったといえます。

ただ、ルミノールクロノはラジオミールと比べると限定モデルが少なかったため、それに該当するのは一部モデルに限られます。

その中でも、フライバックモデルのPAM00060は、最も目立った存在だといえ、フライバックという付加価値に限らず、その見た目的にも注目度が高い1本。

そんなPAM00060ですが、この2年ほどの間は、中古で売られている姿を見かけることがなく、以前よりもレア感が増したと感じます。

1年に1度出るか出ないかというぐらいになっていたこのルミノールクロノですが、今回久々に売り出されている個体が登場。

2年前と比較してどのような価格変動になっているかというと、なんと約79万円という上昇となっている様子であるのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年6月
の安値(楽天)
2019年9月
の安値(楽天)
変動額 残価率
オフィチーネパネライ
ルミノールクロノ
PAM00060
中古 2年
3ヶ月
¥1,211,700 ¥2,002,320 790,620 165.25%

2018年から値下がり傾向が目立つパネライですが、このPAM00060のような限定モデルといった存在は、値上がりしている様子が珍しくありません。

このPAM00060は、2017年に約121万円という水準だったわけですが、2016年7月時点では138万円でした。

2016年夏頃といえば、腕時計が全体的に安い時期。2017年6月といえば、多くの腕時計が値上がり傾向だった時代であるため、PAM00060の値動きは多くの腕時計に対して逆の動きとなっていたといえます。

そんなPAM00060という存在は、2019年9月の今、200万円以上という水準に達しているわけですが、これもまた、最近の値下がり傾向とは異なる動きだといえるかもしれません。

ただし、最近値下がりしている時計の多くは、「現行・人気」という要素が多く、「マニアック・レア」という要素のモデルに関しては、値上がりしているケースも見かけます。

そういった意味では、このPAM00060もマニアックかつレアな存在であるため、値上がり傾向となっていて不思議ではないといえるでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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