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現在相場考察

評価できる値動き、ミルガウス黒文字盤116400GV

2019年9月24日更新
ロレックスのミルガウス116400GVについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年8月の安値(楽天)と2019年9月の安値(ヤフーショッピング)を比較し現在相場を考察。この1年1ヶ月での変動は¥37,360だった。

ミルガウス 黒文字盤 116400GVについての考察(2019年9月)

2007年にシリーズ復活を遂げたミルガウス

その際、3つのモデルが登場したのですが、中でも目玉となったのがこの116400GVです。

116400GVといえば、今では黒文字盤の他に、Zブルー文字盤が存在しますが、デビュー当時は黒文字盤のみでした。ちなみに、2007年以外に登場したのはZブルー文字盤しかなく、それも2014年の登場です。

GVでないほうの116400は、今では黒文字盤、白文字盤ともに生産終了となっているため、現行のミルガウスは、116400GVしかありません。

その116400GVの中でも、後に登場したZブルー文字盤のほうが相場が高いため、この黒文字盤は、2007年時点で「かなり目立っていた」という記憶は、多くの人から消えつつあるかもしれません。

しかし、この116400GV黒文字盤こそ、当時のSS現行モデルとしては最高値だった存在。当時最も高いという印象だった、デイトナ116520黒文字盤ですら140万円台という新品実勢価格だったのに対し、116400GV180万円という水準だったのです。

それが、翌年2008年にリーマンショックが発生すると、116400GVは新品でも60万円台という水準にまで下落。2008年6月時点の新品実勢価格(安い順の3社平均)が約158万円だったのに対し、2018年12月では約65万円(安い順の3社平均)となっていました。

そんな116400GV黒文字盤ですが、2008年当時に値下がりしたとはいえ、実は価格序列の面では他のロレックスと比較して「安い」という印象はなかったといえます。

なぜなら、60万円台という水準でも、ミルガウスより高いSSスポーツデイトナぐらいだったため、他の同世代よりも高い状況に変わりがなかったのです。

けれども、2013年のアベノミクス以降、他のロレックスが上昇傾向となる中、この116400GV黒文字盤については、あまり目立った上昇とはならず、2017年3月時点でも、2012年1月と比較した価格差が約4.6万円にとどまっていたのです。

2017年3月時点では、多くのロレックスが2012年と比べて10万円以上の上昇となっていたため、価格変動が5万円以下という116400GVは稀有な存在だったわけです。

そんな116400GV黒文字盤ですが、2017年以降はそれ以前と比較して上昇するように変化。

2018年8月には70万円台という水準に達し、リーマン直後の新品実勢価格を上回ったのです。

さて、それから現在では約1年が経過したわけですが、この116400GV黒文字盤は、どのような状況となっているかというと、値上がりしている様子です。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年8月
の安値(楽天)
2019年9月
の安値(ヤフーショッピング)
変動額 残価率
ロレックス
ミルガウス
黒文字盤
116400GV
中古 1年
1ヶ月
¥710,640 ¥748,000 37,360 105.26%

この1年で116400GVが値動きした額は、約3.7万円の上昇であるため、他のSSスポーツと比べるとかなり地味な動きと感じます。

2019年7月以降、多くのロレックスが値下がり傾向となりましたが、それでも2018年と比べると、多くのモデルは今でも数十万円単位で高い傾向。

そのため、1年での変動額が3.7万円116400GVは、はやり地味という印象になります。

しかし、2012年から2017年の変動を考慮すると、これでも116400GVとしては優秀といえる側面もあるわけです。

アベノミクスを挟んだ5年でも約4.7万円の変動だった116400GV。それが、2019年7月頃の値下がり傾向を含んだこの1年という期間で、約3.7万円の上昇となっているのは評価しても良いと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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