2004年に登場した現行世代の96シリーズ。
96シリーズといえば、パテックフィリップの“顔”であり、最もオーソドックスな存在といった印象があります。
カラトラバには無数のモデルが存在しますが、その中でも最も有名かつ、歴史が古いのが96シリーズだといえるでしょう。
そのため、シンプルかつオーソドックスな内容であるにも関わらず、その存在感は大きく、多くの時計ファンに認知されたモデルであるといえます。
そんな96の中でも、この5196には、デビュー時からレギュラーモデルとしてプラチナが用意。
96のプラチナモデルはあまり多くなく、それまでかなりレアという印象がありました。それが、5196では、通常ラインナップの1つとして存在している印象があるため、これまでより身近に感じます。また、文字盤も、Ref96のプラチナモデルにあったデザインが、5196でも「プラチナ専用」として与えられるなど、なにかと特別感を感じる印象です。
そんな5196Pは、他のプラチナパテックの数がそこまで多くないのと同様、あまり数が多くない傾向がありましたが、以前までは常時数本が中古で売り出されている様子があり、特に珍しいと感じる存在ではありませんでした。
それが、2017年頃から中古売出しがほぼなくなり、ここ2年間は中古で売られている姿をほとんど見かけなくなったのです。
しかし、2019年になるとそういった様子が変化。2016年同様、常時数本が売り出されているようになったのです。
さて、2016年の水準と2019年の水準を比較すると、2019年のほうがだいぶ高いという傾向が当たり前という印象もありますが、この5196Pはどういった様子となっているのでしょう。
その答えは、現在水準を見れば分かるのですが、2016年3月と比較して43万円程度の値上がりという変化。
長らく中古売出しがなく、レアという印象が強くなっていた5196Pですが、そのレアという印象の通り、なかなか値動きしていると感じます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年3月 の安値(楽天) |
2019年9月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
カラトラバ 5196P-001 |
中古 | 3年 6ヶ月 |
¥2,646,000 | ¥3,084,480 | 438,480 | 116.57% |
2016年3月といえば、ノーチラス5711/1A-010が300万円前後で購入可能だった時代ですが、その時代において、この5196Pは約264万円だったのです。
ノーチラス5711/1A-010は現在の様子では値下がり傾向となっていますが、それでも700万円台という価格帯。2016年の水準と比較すると数百万円単位で値上がりしている状態なのです。
それに対して、「96」という有名シリーズのプラチナモデルであるこの5196P-001は43万円の変動であるため、ノーチラスなどと比べると大きな値動きとは感じません。
ちなみに、この世代のプラチナモデルとしては、この5196Pの300万円台という価格帯はなかなか評価されているといえます。
現在、比較的安いプラチナモデルといえば、クロノメトロゴンドーロの5098Pという印象ですが、そちらは現在280万円台がボトムとなっている様子。それに対して、5196Pは300万円台であるのです。
カラトラバは、手巻きより自動巻のほうが高く、センターセコンドが最も高い傾向がありますが、そういった価格序列を考慮しても、5196のプラチナは評価されていると感じます。
「96シリーズのプラチナバージョン」がレアという印象であったり、専用文字盤であるなど尖った点があるため、この5196Pは評価されているのだと思います。