2019年のバーゼルを境目に、生産終了となった116710LN。
2007年に登場したこのモデルは、長らくオーソドックスな現行GMTマスター2という印象で、その実勢価格は、同世代のロレックスと比較してそれほど高いとは感じませんでした。
しかし、生産終了が発覚するやいなや、その中古相場は急激に上昇。
2018年11月に約91万円という水準だったのが、2019年3月(後半)には約127万円という水準になったのです。
その結果、3月時点での価格序列は、同世代のロレックスと比較してなかなか上位な序列にまで上昇しました。
けれども、その後この時計の相場は、すぐに落ち着き、8月時点では98万円にまで下落。2018年同様、90万円台という水準にまで戻ってしまったのです。
2019年8月といえば、多くのロレックスが値下がりした時期ですから、この116710LNが下落するというのは、一見自然にも見えます。
ただ、そういった値下がりに該当する多くのモデルは「現行」という要素があったため、今年生産終了になったばかりの116710LNが下落するというのは例外といえたわけです。
また、この116710LNに関しては、新ムーブメント搭載の新型などが登場しておらず、事実上の後継モデルもありません。
ですから、黒いセラミックベゼルのGMTマスター2は、新品では選択することができず、以前より希少という印象になっているわけです。
そういった意味では、8月時点の116710LNの下落は、少し値下がりしすぎだったとも言えるわけですが、やはり10月現在では、相場が回復している様子となっています。
現在、116710LNは約108万円という水準なのですが、これは消費税率8%⇒10%を考慮しても上昇といえるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年8月 の安値(ヤフーショッピング) |
2019年10月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
GMTマスター2 116710LN |
中古 | 0年 2ヶ月 |
¥980,000 | ¥1,081,200 | 101,200 | 110.33% |
116710LNは、2019年3月以前まで“高い”という印象がなく、3月以降の上昇傾向も数ヶ月のうちに収束してしまった印象があるため、8月以降の印象は、それほど「希少」というイメージではなくなったのかもしれません。
しかし、116170LNには後継モデルもなく、現在、GMTマスター2において「黒ベゼル+3連ブレスレット」という内容は選べなくなっているわけです。
そういった意味では、116710LNはレアモデルという印象になっているため、今回のように回復傾向となるのは自然です。
ちなみに、2007年以前の常識では、「黒ベゼル」がGMTマスター2で最も人気なベゼルカラーでした。
そういった意味では、今後再度“人気モデル”のポジションが変化する可能性があるとも感じます。