左右非対称に配置された、パワーリザーブインジケーター、スモールセコンド、ムーンフェイズ&カレンダーが特徴的なパテックフィリップのコンプリケーションモデル。
他のコンプリケーションが「年次カレンダー」や「ワールドタイム」といった愛称を持っているのに対し、このタイプにはそういった名前が無いため、なにか名前をつけてあげたいとも感じます。
このタイプは、現在でもノーチラス5712/1Aという有名モデルに搭載されているため、「ワールドタイム」的な名前があると便利だと思うのですが、キャッチーな名前は意外と思い浮かびません。
そういった伝わりづらさからなのか、ここ2年ぐらいにおいて、この機構を搭載するノーチラス以外のモデルは値下がり傾向が目立ちます。
特に5055はそういった印象が強く、2017年上半期と比較してもかなり安いと感じるぐらいであるのです。
実際、この5055G-010は2017年2月には約263万円という水準だったのが、2019年10月現在では231万円という水準。実に、30万円以上も安くなっているのです。
値下がり傾向といえば、2019年7月以降に目立っているという印象がありますが、この5055の値下がりは、それらとは別という感覚があり、以前から5055は全体的に安い印象があったといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年2月 の安値(楽天) |
2019年10月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
コンプリケーション 5055G-010 |
中古 | 2年 8ヶ月 |
¥2,632,000 | ¥2,310,000 | -322,000 | 87.77% |
5055は、90年代後半にデビューし、2005年頃まで現行としてラインナップされていたモデルですが、当時は5085/1Aや5054などとともに、“3兄弟”という印象でした。
5055は中でも最もシンプルかつモダンなデザインが採用されており、その見た目はパテックフィリップとしては珍しいと感じるといえます。
筆者はこの時計が昔から好きで、アクアノートを所有していた頃、「いつかは欲しい」と憧れていたのですが、今となっては、当時筆者が所有していたアクアノートより、5055Gのほうが100万円以上も安いという状態です。
ちなみにリーマンショックの影響から、腕時計が全体的に安かった印象の2010年6月という時代でも、この5055G-010は165万円という水準。
2010年と比較しても、現在水準は66万円の差であるのです。
2017年2月から2019年10月にかけて、ノーチラスやアクアノートなどは、百万円単位の値上がり幅となっています。また、2010年という時代と比べるともっと大きな価格変動があるわけです。
そういったことを考慮すると、5055Gの現在価格はかなりお得感があると感じます。
なお、この白文字盤は、黒文字盤と入れ替わる形で2003年頃にデビュー。2005年頃には生産終了となっため、2、3年程度しかラインナップされていないため、5055の中では最もレア感が強い印象があります。