「青赤ベゼル」という要素に対して「高い」という印象がありますが、それを決定づけたのがこの116719BLROだといえます。
「青赤」といえば、1956年の初代モデルからGMTマスターを象徴する配色ですが、2007年のモデルチェンジにおいて廃止されてしまいました。
廃止前、「青赤」は特に人気がある様子はなく、どちらかというと不人気な印象。その頃、最も人気なのは黒ベゼルでした。
それが、廃止後に「青赤」の注目度は一気に上昇。その時期から今に至るまで、その高い人気が継続しています。
ただ、高い人気といっても、この116719BLRO登場まで「青赤」は数十万円という単位で入手可能という印象がありました。もちろん、その価格帯でもそれ以前と比べて値上がり傾向だったため、「高い」という印象に変わりないのですが、今の基準とは大きくことなる水準だったことになります。
そういった時代、「青赤」は廃盤となっていたわけですが、多くの時計ファンが「いずれ6桁世代にも登場するのではないか」と感じていたことでしょう。
そして、その予測どおり、この116719BLROが2014年に登場。2007年に廃止されてから、実に7年ぶりの復活となったわけですが、その際登場した「青赤」はこの型番からも分かるようにホワイトゴールドのみだったのです。
つまり、この116719BLROから「青赤」という要素が、高級という印象となったのです。
そして、そんな116719BLROの実勢価格はおおよそ300万円前後という水準。これは、他のホワイトゴールドモデルと比較して高いといえたわけで、このモデルの注目度の高さを示していたと感じます。
そういったことから、このモデルは大きく値動きするのかと思うわけですが、これまで目立った値動きする傾向はありませんでした。
また、相場も「デビューした時期が最も高い」という傾向があり、今のところその水準を上回る様子がなかったのです。
そのような値動きであるため、この116719BLROはそのキャラクターの強さからすると、これまであまり優秀な動きをしないという印象があったといえるわけです。
しかし、そんな116719BLROは、2019年10月の今、以前とは異なる印象となってきているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年7月 の安値(楽天) |
2019年10月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
GMTマスター2 黒文字盤 116719BLRO |
中古 | 0年 3ヶ月 |
¥3,564,000 | ¥3,811,000 | 247,000 | 106.93% |
そういった印象を決定づけた要素の1つとして大きいのは、2018年に黒文字盤と入れ替わるかたちで登場した青文字盤の存在だといえます。
116719BLROの青文字盤は、デビュー翌年には、新ムーブメントを搭載する新型番にモデルチェンジされたため、ラインナップされた期間が1年という超短命モデル。
パテックフィリップでも“1年しか販売されなかった”というモデルはレアなため、高い傾向がありますが、ロレックスの場合はさらにそういったモデルが少ない印象があるため、とてもレアという印象があるわけです。
そのため、116719BLROの青文字盤は、前回登場時でも既に500万円台という水準に達していました。
そういった価格帯でも、青文字盤は比較的早く売れてしまい、現在では中古で販売される個体が無い状況です。
そして、この黒文字盤についても、多くのロレックスが値下がりした7月から10月現在という時期にかけて値上がり状態。同世代の人気モデルの下落が目立つ中、逆に上昇しているのです。