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現在相場考察

30万円台後半になった、ヘリテージクロノグラフ70330B

2019年11月1日更新
チューダーの70330Bについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年8月の安値(楽天)と2019年10月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この1年2ヶ月での変動は¥29,160だった。

ヘリテージ クロノグラフ 70330Bについての考察(2019年10月)

2000年前後の腕時計ブームの時代から「チュードル」というブランドは、コアな腕時計ファンから認知されていましたが、当時のラインナップと今とでは、その内容が大きく変わっている傾向があります。

2000年前後の時代、チュードルで人気が高かった現行モデルといえば、「クロノタイム」ですが、今では生産終了となっています。

その後登場したのがこのヘリテージクロノグラフなのですが、これは1970年代に存在した、「モンテカルロ」の復刻版といえる見た目となっています。

ですから、チュードルのクロノグラフは、一旦変化した後、再度もとのデザインに戻ったといえるわけなのですが、これはタグホイヤーと似ていると感じます。

2000年頃のタグホイヤーの中心的モデルは、「ブレスレット+防水」という内容だったのですが、2000年代半ばには、それまでマニアックなカテゴリだった復刻版のカレラモナコが中心的ラインナップに変化。つまり、一旦方向性が変わった後、もとに戻っているわけです。

そういった「復刻」要素は、現在のチューダーにおいて、このヘリテージクロノグラフ以外にも多々存在し、ブラックベイなどの「イカ針」がそれに相当するといえます。

さて、そんなヘリテージクロノグラフには、黒ベゼルと青ベゼルがあるのですが、より70年代の雰囲気を感じられるのが「青」という印象があります。

中古市場では、「黒」より「青」のほうが高い傾向があり、かつて20万円台で黒ベゼルが買えた際でも、青ベゼルとなると30万円台という水準でした。

そして、なぜか「青」のほうが数が少なく、時期によっては売出し数が0本となることもあるぐらい。

そして、青ベゼルは、この1年の間でも値上がり傾向となっており、2019年の今では30万円台後半という水準となっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年8月
の安値(楽天)
2019年10月
の安値(楽天)
変動額 残価率
チュードル
ヘリテージ
クロノグラフ
70330B
中古 1年
2ヶ月
¥348,840 ¥378,000 29,160 108.36%

ヘリテージクロノグラフは、現在チューダーのラインナップにも存在しているため、今でも現行モデルでありますが、既存ラインナップの中では、かなり古いモデルという印象があります。

ヘリテージクロノグラフ時代は2010年代の登場であるため、腕時計の基準としては比較的新しい印象です。

しかし、このモデル登場後に、チューダーのラインナップが大きく変化したため、ちょうど変革期にあたる時期に登場したヘリテージクロノグラフは、現行モデルと雰囲気がやや異なるように感じるわけです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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