スピードマスターともにオメガの「プロフェッショナル」を担うシーマスター。前者がロレックスデイトナと比較されるならば、こちらはサブマリーナと比べられる傾向があるといえます。
スピードマスターはクロノグラフ、シーマスターはダイバーズウォッチであるため、そのような比較は90年代の段階から雑誌などで見受けられました。
当時から、オメガとロレックスでは、その価格帯が随分異なりますが、ムーンウォッチとデイトナは、なんとなく「ライバル」という印象があり、デイトナを所有している人でもコレクションの1つとして持っている確率がそこそこ高いとも感じます。
しかし、シーマスターのほうはどうかというと、サブマリーナほどの存在感がないようにも見え、特に最近はそういった傾向が強いと思います。
それには、はっきりとした理由があるわけで、一言でいえば「モデルチェンジの頻度」に尽きるわけです。
同じ「プロフェッショナル」でも、スピードマスターは90年代後半にデビューした3570.50から、見た目が全く変わっていない一方で、シーマスターのほうはその間何度も見た目が変わっているのです。
現行モデルは、波模様の文字盤ですが、その1つ前のモデルには波模様がありませんでした。
また、そのモデルからセラミックベゼルが採用され、“今どき”な見た目となっています。
2000年前後といった時代では、ムーンウォッチ並に注目度が高かったシーマスタープロフェッショナルですが、モデルチェンジを繰り返していくうちに、認知されにくくなってしまったのではないでしょうか。
そういったこともあって、最近のシーマスタープロフェッショナルは、以前と比べるとマニアックな選択という印象もあり、中古流通もそこまで多くありません。
また、数年前までは、現行モデルの場合、中古相場と新品実勢価格の価格差があまりないという傾向もあり、値動きもあまり目立たない様子がありました。
ただ、シーマスターは2018年に新型にモデルチェンジされたため、1つ前のモデルは今や生産終了となっています。
そのようなことから、212.30.41.20.03.001は、2年前と比較してやや値上がりしている傾向があるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年11月 の安値(楽天) |
2019年11月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オメガ
シーマスター 212.30.41.20.03.001 |
中古 | 2年 0ヶ月 |
¥248,000 | ¥286,000 | 38,000 | 115.32% |
212.30.41.20.03.001は、2017年11月の段階で25万円程度といった水準でしたが、今では20万円台後半という様子です。
このモデルは、シーマスタープロフェッショナルとしては初のセラミックベゼル搭載モデルで、前モデルより「高級になった」という印象があります。
それは価格帯的も感じられ、数年前の段階では中古も新品も30万円前後という印象だったわけです。
ただ、デビューから時間が経過した2017年には中古相場が下落し、当時は25万円前後という水準となっていたのです。
そして、それから2年後の今では、約28万円という水準に上昇しているわけですが、デビュー時の価格帯に近い状態に上昇したといえるでしょう。