2000年前後の腕時計ブームの時代、「第三の高級腕時計」というような枠でメディアで取り上げられていたアイクポッド。
『高級腕時計らしからぬ見た目で、実は機械式の高級品』というコンセプトが面白いと感じ、マニアックな時計ファンには一定の需要があったと感じる反面、今ではブランドが実質消滅している状況です。海外のクラウドファンディングで復活を遂げたというニュースがありますが、その価格帯は以前とは随分異なります。
さて、アイクポッドといえば、マークニューソン氏が手がけたことで有名ですが、今では「マークニューソン」といえば、アップルウォッチやルイヴィトンのスーツケースなど、大人気商品を手掛けるデザイナーという印象があります。
そういった意味では、アイクポッドは「世に出るのが20年ほど早かった」といえるわけで、今の時代に出ていれば、その結果は変わっていたのかもしれません。
その判断は、今の中古相場を見ればある程度の推測ができるかもしれませんが、当時のSSモデルを見る限り、この数年での相場変化はあまり無い様子。
筆者としては、アップルウォッチが出た段階から、アイクポッドへの注目度が高くなるかもしれないと気にかけていたのですが、「アイクポッド」が注目されることはまだ無いと見れる状況です。
ただ、アイクポッドの中でも比較的「コレクター目線」でグッと来るモデルに関しては、意外と値上がりしており、このイエローゴールドモデルなどは、2017年と比較して29万円ほどの上昇となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年4月 の安値(楽天) |
2019年11月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
アイクポッド
ヘミポッド K18YG |
中古 | 2年 7ヶ月 |
¥698,000 | ¥990,000 | 292,000 | 141.83% |
ヘミポッドのイエローゴールドモデルは、2017年の段階で、60万円台後半という額で購入可能でしたが、今では90万円台後半。
また、以前は一定周期で中古を目にする傾向がありましたが、2017年以降はほぼ見かけなくなりました。
そういった希少性や魅力から、このK18ヘミポッドは値上がり傾向となったのでしょうが、この値動きは筆者としては「なるほど」という感覚があります。
以前の記事でも指摘したように、アイクポッドのコンセプトは、K18やトゥールビヨンといった「高級要素」と交わるとより面白いと感じるため、このK18ヘミポッドが評価されるのは納得であります。
ただ、その数はかなり少ないため、今後もマニアックな需要にとどまるという気もします。
以前からアイクポッドを知っている時計マニアは、アップルウォッチが出たことによってアイクポッドの良さを再認識したかもしれませんが、まだまだ、新規のファンを生み出すという影響はない様子。
おそらくアイクポッドという存在自体を知らない方が多いと思うので、何かのきっかけでアイクポッドを知る人が増えたならば、それなりに需要が増えるのではないかと思います。