第1世代のアクアノートは、その独特の雰囲気が魅力的だと思うのですが、2018年まであまり評価されていない傾向がありました。
もちろん、現行時代の新品実勢価格と比べると、2018年時点でも、その中古水準は2倍以上に達していたため、評価されていなかったわけではありません。ただ、その時代におけるノーチラスのことを考慮すると、あまり評価されていなかったと感じるわけです。
2010年代前半まで、アクアノートとノーチラスは、新品でも中古でも同じような価格帯に位置していましたが、2017年以降、その価格差は圧倒的に広がった経緯があります。
2019年現在の常識だと、ノーチラスはデイトナを凌ぐほどの知名度があるといえます。例えば、ノーチラスに憧れる若い駆け出しのホストがいたとして、彼に「アクアノートを知っている?」と質問したならば、おそらくその答えは「?」だと思います。
しかし、それ以前からのアクアノートとノーチラスの関係性を見ると、これまでのアクアノートは評価されていなかったということが分かるわけです。
そして2019年になると、そういった「穴」を埋めるかのように、アクアノートが急上昇。
第二世代ではほぼ全てのモデル上昇、第一世代では5065系が目立って値上がりし、特に5065/1Aは200万円台中盤だったのが、5月には約348万円となっています。
さて、ここで重要なのが、第一世代の値動き。第二世代では“ほぼ全てのモデル”が値動きした一方で、第一世代には「置いてけぼり」となっている存在があるわけなのです。
それこそが、この5066/1Aであるのですが、2018年でも、2019年5月時点でも、現在でも、ほぼ値動きしていない状況です。
5066/1Aは、未だ5065/1Aにおける大幅値動き以前と同水準であるのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年5月 の安値(楽天) |
2019年11月 の安値(コミット銀座) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
アクアノート 5066/1A |
中古 | 0年 6ヶ月 |
¥2,260,000 | ¥2,255,000 | -5,000 | 99.78% |
「ブレスレットのアクアノート」という存在は、従来アクアノートで最も人気という要素だったため、「5065/1Aも5066/1Aも高い」という感覚がありました。
その感覚は、2018年でもそれなりに残っており、5065/1Aの約250万円に対して、5066/1Aは約220万円といった水準。5065のほうが高かったものの、今のように百万円単位の価格差は無かった状態でした。
そのため、筆者としては2019年5月時点でも5066/1Aのお得さが気になっていたのですが、それから半年が経過した現在でも、5066/1Aは特に目立った価格変化が無い状況であるのです。
5066が5065のように値動きしない原因は、「ミディアムサイズ」というケースサイズだといえますが、ノーチラスの場合は同様のサイズでも評価されています。
3800/1Aこそ、まさに5066/1Aのノーチラス版といえ、かつての新品実勢価格も中古相場も同じような水準。特に、黒文字盤の3800/1Aはそういった印象が強いですが、2019年においてそれは数十万円単位の値動きとなっているのです。
それに対して、5066/1Aは2018年10月の約221万円という水準からほぼ変化がない状況であるため、穴場的な存在だと思うわけです。