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現在相場考察

穴場的な存在、アクアノート5066/1A

2019年11月12日更新
パテックフィリップのアクアノートについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2019年5月の安値(楽天)と2019年11月の安値(コミット銀座)を比較し現在相場を考察。この0年6ヶ月での変動は¥-5,000だった。

アクアノート 5066/1Aについての考察(2019年11月)

第1世代のアクアノートは、その独特の雰囲気が魅力的だと思うのですが、2018年まであまり評価されていない傾向がありました。

もちろん、現行時代の新品実勢価格と比べると、2018年時点でも、その中古水準は2倍以上に達していたため、評価されていなかったわけではありません。ただ、その時代におけるノーチラスのことを考慮すると、あまり評価されていなかったと感じるわけです。

2010年代前半まで、アクアノートノーチラスは、新品でも中古でも同じような価格帯に位置していましたが、2017年以降、その価格差は圧倒的に広がった経緯があります。

2019年現在の常識だと、ノーチラスデイトナを凌ぐほどの知名度があるといえます。例えば、ノーチラスに憧れる若い駆け出しのホストがいたとして、彼に「アクアノートを知っている?」と質問したならば、おそらくその答えは「?」だと思います。

しかし、それ以前からのアクアノートノーチラスの関係性を見ると、これまでのアクアノートは評価されていなかったということが分かるわけです。

そして2019年になると、そういった「穴」を埋めるかのように、アクアノートが急上昇。

第二世代ではほぼ全てのモデル上昇、第一世代では5065系が目立って値上がりし、特に5065/1A200万円台中盤だったのが、5月には約348万円となっています。

さて、ここで重要なのが、第一世代の値動き。第二世代では“ほぼ全てのモデル”が値動きした一方で、第一世代には「置いてけぼり」となっている存在があるわけなのです。

それこそが、この5066/1Aであるのですが、2018年でも、2019年5月時点でも、現在でも、ほぼ値動きしていない状況です。

5066/1Aは、未だ5065/1Aにおける大幅値動き以前と同水準であるのです。

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2019年5月
の安値(楽天)
2019年11月
の安値(コミット銀座)
変動額 残価率
パテックフィリップ
アクアノート
5066/1A
中古 0年
6ヶ月
¥2,260,000 ¥2,255,000 -5,000 99.78%

「ブレスレットのアクアノート」という存在は、従来アクアノートで最も人気という要素だったため、「5065/1A5066/1Aも高い」という感覚がありました。

その感覚は、2018年でもそれなりに残っており、5065/1A約250万円に対して、5066/1A約220万円といった水準。5065のほうが高かったものの、今のように百万円単位の価格差は無かった状態でした。

そのため、筆者としては2019年5月時点でも5066/1Aのお得さが気になっていたのですが、それから半年が経過した現在でも、5066/1Aは特に目立った価格変化が無い状況であるのです。

5066が5065のように値動きしない原因は、「ミディアムサイズ」というケースサイズだといえますが、ノーチラスの場合は同様のサイズでも評価されています。

3800/1Aこそ、まさに5066/1Aノーチラス版といえ、かつての新品実勢価格も中古相場も同じような水準。特に、黒文字盤の3800/1Aはそういった印象が強いですが、2019年においてそれは数十万円単位の値動きとなっているのです。

それに対して、5066/1Aは2018年10月の約221万円という水準からほぼ変化がない状況であるため、穴場的な存在だと思うわけです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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