腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

130万円以下で買えるRGのJLCパネライ、ラジオミールPAM00197

2019年11月15日更新
オフィチーネパネライのラジオミールPAM00197について斉藤由貴生が執筆。本記事では2005年12月の新品実勢価格と2019年11月の中古安値(ヤフーショッピング)を比較し現在相場を考察。この13年11ヶ月での変動は76万3675円の値下がりだった。

ラジオミール PAM00197についての考察(2019年11月)

ここ10年以上において、パネライの腕時計といえば、自社ムーブメントというイメージがありますが、それが通常モデルに登場したのは2006年のことです。

腕時計の場合、「マニュファクチュール」、すなわち自社製ということが評価されるため、自社ムーブメント世代のパネライのほうが、他社製ムーブメント使用時代より人気があるという印象になっても不思議ではありません。

しかし、他社製ムーブメント時代のパネライは、実は自社製時代より中古市場では人気が高いといっても過言ではありません。

特に評価が高いのは、2000年代前半頃にまで生産されたモデル。その時代の特徴として、デットストックなど、強いインパクトのムーブメントを使う傾向がありました。

もちろん、そういったムーブメントは、限定モデルに限られますが、通常モデルでも、ゼニスエルプリメロエリートなど、腕時計目線でグッとくるムーブメントを使用していた傾向があります。

そんな他社製高級ムーブメント時代は2005年前後という時代に終焉を迎えるのですが、その最終世代にあたるのが2004年に登場したジャガールクルトムーブメント搭載モデルです。

このJLCパネライは、2004年の登場から3年程度で生産終了となったのですが、その理由としては、自社製ムーブメントへの転換という点があるようです。

2005年、パネライは自社製ムーブメントを完成させ、限定モデルに搭載。2006年から通常モデル(といっても上級機種)への搭載したため、高級ムーブメントの役割は他社製から自社製へと変化しました。

そのため、JLCムーブメントのパネライは、その高級感とレアさから、人気が高い傾向があり、それは今でも同様だといえます。なぜ同様なのかというと、先日記事準備中だったJLC搭載レアパネライがいくつか売れてしまったからなのですが、他のモデルを調べているうちにある発見がありました。

それは、高い評価となっている一方で、意外と安い水準で入手可能なJLCパネライがあることです。

このPAM00197というモデルは、同時期に登場したSSモデル、PAM00190の豪華RGバージョンという存在であるのですが、現在約129万円という価格で購入可能。

これは、ETAベースムーブメント搭載のRGラジオミールとも大きく価格が変わらないだけでなく、SSのJLCともそこまで差がないと感じます。

本記事で参考とした中古腕時計

※広告が含まれる場合があります
オフィチーネ・パネライ ラジオミール 8デイズ PAM00197 OFFICINE PANERAI 【中古】【メンズ】 【腕時計】 【送料無料】 【年中無休】

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2005年12月
の新品実勢価格
2019年11月
の中古安値(ヤフーショッピング)
変動額 残価率
オフィチーネパネライ
ラジオミール
PAM00197
新品 13年
11ヶ月
¥2,061,675 ¥1,298,000 -763,675 62.96%

2005年におけるこの197番の新品実勢価格は約206万円(税込)という水準ですが、これはどのような価格帯かというと、ダイヤ文字盤ラジオミールよりも高い水準だったのです。

パネライのダイヤ文字盤といえば、ステンレスのルミノールで十分高いというイメージがありますが、WGやRGのラジオミールとなるとさらに高価。ちなみに、この197番より安かったダイヤ文字盤は、12時などがバケットのタイプのやつです。

ですから、現行当時、この197番は、そういったラジオミールを上回るほどの価格帯だったわけで、大変な高級機種だったという事がわかります。

JLCの8日間パワーリザーブムーブメントを搭載というのは、

  • 8日間パワーリザーブが高級コンプリケーション的なイメージだった
  • JLCムーブメントが雲上御用達
  • という点から、随分な高級要素だといえるわけで、ダイヤ文字盤より高いという当時の価格帯は自然だったと思います。

    特に、パワーリザーブインジケーターが、文字盤側ではなく、裏スケから眺めたムーブメント側にあるという点が、コンプリケーション的な魅力を放っていると感じます。

    今となっては、8日間パワーリザーブをパネライ自身が自社製ムーブメントとして、多くのモデルに採用しているため、197番登場時より、「8日間」ということに対するインパクトは薄れているでしょう。

    しかしながら、尖った機能を持つJLCムーブメントのパネライは基本的に評価されている傾向があるため、この197番の現在価格はそういったことを考慮すると安いと感じるわけです。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
    本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。