2001年頃から、パネライは時計ファンの間で徐々に認知されたといえますが、その頃人気モデルだったのが、このPAM00050という存在です。
このモデルは、「黒文字盤&ブレスレット」という内容ですが、これはまさに当時の人気ロレックスと同じ要素。
ロレックスブームだったその時代において、「ロレックスの次に買う」というポジションで注目されたといえます。
実際、パネライ自身もこの50番を積極的に推す傾向があったといえ、その時代の雑誌広告では、この50番を見かけます。
そんな50番という存在は、2002年頃、新品実勢価格が定価より高い『プレミア価格』状態となっていました。
その後、パネライの人気モデルは「革ベルト」という傾向になったものの、50番の中古相場は大きく下落することはなく、2011年という時代でも40万円台という水準でした。
しかし、2012年になると30万円台という水準へと下落。ただ、その後はすぐに回復し、2015年頃には45万円前後という水準になっていたのです。
それが2016年から2017年の年頭にかけて、再度30万円台後半という水準の個体が出てくるように変化。そうかと思ったら、2017年10月には約48万円という水準に上昇していました。
このことからいえるのは、50番という存在は、2012年以降、40万円前後という水準になる場合と、50万円前後となる場合があるということ。
そして今、この50番はどのような水準になっているかというと、2017年からあまり変わっていない様子となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年10月 の安値(楽天) |
2019年11月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オフィチーネパネライ
ルミノールマリーナ PAM00050 |
中古 | 2年 1ヶ月 |
¥486,000 | ¥495,000 | 9,000 | 101.85% |
この50番という時計は、リーマンショック後のように、腕時計が全体的に安いときでも目立って安くなることは無いのが凄いと感じますが、その反面、近頃は目立って上昇するという傾向もないようです。
一時期、この50番は50万円以上という水準になっていたため、そのときに関しては69番並に高くなったと感じたのですが、現在では40万円台後半という水準に戻っています。
興味深いのは、この50番の相場が2002年頃からあまり大きく変わっていないという点なのですが、当時の新品実勢価格は今の中古相場と同じ程度。
筆者が確認した限り、その後最も安くなったのは2012年頃だといえますが、その際の水準でも約34万円であるのです。
当時の34万円というと、同じ価格帯にどのような時計が位置していたかというと、GMTマスター2の16710などが該当するわけですが、その時代でもGMTマスター2などは、以前より高いという印象があります。
ですから、2012年頃の30万円台中盤という価格帯は、なかなか高いと感じたわけで、この50番は、あまり値下がりしていなかったという印象になります。
2002年頃、目立った特徴を備え、「真新しい」という印象だったパネライは、一時のブームにとどまるのではないかと危惧された声もあったといえます。
しかし、パネライはその後も人気がしっかりと継続しているということが、この50番の相場変遷からいうことができると思うのです。