96が「最後の腕時計」と言われる反面、「パテックフィリップの入門」と言われるのがこの3796だといえるでしょう。
もっとも、今の時代では、パテックフィリップを購入するといった場合、入門用として購入するのは5196のほうでしょうし、最初からノーチラスを買うということもあるでしょう。実際、筆者にとって最初のパテックフィリップはアクアノートで、その次にはノーチラスを買っています。
そういった意味では、「入門」の意義が問われるところですが、この3796という存在は、
という点から、パテックフィリップの最初の1本として最適とされるのだと思います。
今の時代、パテックフィリップの人気モデルを買おうと思った場合、その中古相場は300万円以上という水準が当たり前のような感覚があり、ノーチラスに至っては700万円以上という予算を覚悟しないとなりません。
この3796が入門用と言われた時代、パテックフィリップの人気モデルの中古相場は150万円前後といえたため、3796を買ってから、そういった存在をじっくりと狙うという思考になったのでしょう。
しかし、人気モデルが300万円以上といった価格帯となっている今、「最初のパテック」として100万円以下のパテックフィリップを買う必要性は感じられないわけです。
というよりも、ロレックスの人気モデル自体が100万円を上回っているため、100万円以下のパテックフィリップという存在は、今の時代認識されていない可能性もあります。
この3796は現在、約89万円という価格帯で購入可能であるわけで、まさに100万円以下という価格帯。2010年からの変動額も約21万円という水準にとどまり、他のパテックフィリップと比べるとあまり大きな変化がない状態といえるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年7月 の安値(ヤフオク) |
2019年11月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
カラトラバ 3796J |
中古 | 9年 4ヶ月 |
¥680,000 | ¥892,500 | 212,500 | 131.25% |
「最後の腕時計」と言われる96と、「最初のパテック」と言われる3796は、かつて近い価格帯に位置していましたが、近頃96のほうは200万円台となっている様子。
2010年頃、96も70万円前後という水準で購入可能だったわけですから、この9年間における変動額は、かなり異なるといえるわけです。
3796のほうは96ほどの変化がなく、現在水準でも80万円台。その結果、2019年現在、96と3796では、随分異なる価格帯に変化したといえます。
パテックフィリップが全体的に高い印象の今、80万円台という水準で購入可能な3796という存在は、パテックフィリップの世界観を味わう1本として安く買えるため、高くて買えないと思っている方にとっては、狙い目な1本といえるのではないでしょうか。