以前から指摘しているように、このヨットマスター16622という存在は、腕時計相場全体の様子を暗示するかのような値動きをする傾向があり、全体的に高いときは高く、安いときは安いといった傾向があります。
例えば、リーマンショック後の2010年頃、16622は45万円前後という水準でしたが、その中古相場は、16622としては過去最安値といえるものでした。
リーマンショック以前から、16622は相場を暗示するような動きがあったと感じますが、その際の価格帯は「高いときは50万円台後半、安いときは50万円台前半」というように、40万円台という水準になったことは見たことがなかったのです。
それがリーマンショック後には、50万円を割るどころか、一時は40万円台前半という水準にまで下落。その際、筆者は旧ブログにおいて、16622の様子をお伝えしたのですが、あまり理解されなかった記憶があります。
さて、そんな16622ですが、アベノミクス以降になるときちんと高い水準へと変化。2015年頃の水準は60万円台といったところで、リーマン前の2007年頃と似たような様子だったと感じます。
そして、2016年になると16622は50万円台後半という水準になるのですが、当時といえばまさに全体的に安くなった時代。116710BLNRが80万円台だったように、アベノミクス以降の時代としては、目立って安くなった時期だったのです。
2017年からは、2016年の安値に反発するかのように、多くの腕時計がアベノミクス時より、さらに上昇するといった値動きをしましたが、16622も2017年12月に70万円台という水準になっています。
2018年には、一旦70万円を割ったことがありましたが、再び70万円台に回復。2018年にはあまり派手に動くことはありませんでしたが、2019年になると5月に約77万円という水準になりました。これは、過去最高値といっても差し支えないといえるでしょう。
このように、16622は、相場全体を示すかのような値動きをしてきたと感じるわけですが、2019年12月の今、一体どのような水準となっているのでしょう。
今の時期といえば、2016年と似たように、夏頃から値下がりという傾向が目立っているため、16622も70万円を割っていても不思議ではありません。
けれども、現在16622は、なんと80万円台という水準になっており、過去最高値級だった5月を超えているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年5月 の安値(楽天) |
2019年12月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
ヨットマスター 16622 |
中古 | 0年 7ヶ月 |
¥776,455 | ¥800,800 | 24,345 | 103.14% |
5月から値動きした額は、2万円程度といったところで、あまり驚く水準ではありません。
ただ、それよりも80万円台になったということが16622にとっては、かなり大きな出来事だといえるわけです。
ちなみに、5月と12月現在の間には消費増税がありましたが、それを考慮しても、16622は値上がりしていることに違いありません。
さて、80万円台というように、16622は凄い水準となっているわけですが、こういった印象は、2019年上半期に当てはまるといえます。
今の時代、むしろピーク時から値下がりといった様子となっているわけで、16622が相場全体を示すような値動きをするならば、例えばですが「2019年上半期に90万円台、12月現在で80万円台」もしくは「上半期77万円、現在69万円」といった感じになっていたかと思います。
けれども、現在の様子はそのどちらにも当てはまらないわけです。
となると、
といったことが考えられるわけですが、いずれにしても16622の動きは興味深いと思います。