1997年に廉価な価格帯に位置するモデルとして発表されたダイナミック。
ダイナミックというシリーズ自体はそれ以前からありますが、この97年世代とそれ以前とでは大きくキャラクターが異なります。
そして、ダイナミックというシリーズはこの97世代を最後にシリーズ終了している状態。それから20年近くの時が経とうとしている今では、存在感が無いかもしれません。
しかし、中古相場の観点では、このダイナミックは存在感があるといえ、近年値上がり傾向となっているのです。
これは、このダイナミックのかつてのキャラクターを知っている方からすると驚きだと思いますが、なぜなら、かつてこの時計は“数万円で買える”というようなキャラクターだったからです。
ちなみに、このダイナミックにはクロノグラフと3針モデルがありますが、2010年代中盤まで、いずれも10万円以下で購入可能でした。
それが今では、クロノグラフは10万円以下で購入することができないのはもちろん、3針でも同様となっているのです。
この3針モデル5200.50は、2017年の段階で「以前よりも高くなった」という感覚がありましたが、それから2年が経過した今、中古ボトム価格が10万円以上という水準になっているのです。
2017年10月と比べて値動きした額は1万円以下という水準に過ぎませんが、この「10万円台」というのは、3針ダイナミックにとって大きな1歩だと思うのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年10月 の安値(楽天) |
2019年12月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オメガ
ダイナミック 5200.50 |
中古 | 2年 2ヶ月 |
¥97,092 | ¥104,500 | 7,408 | 107.63% |
なお、2017年10月と2019年12月との間には消費増税がありますが、それを考慮しても5200.50は値上がりといえる様子。また、2017年当時の水準を消費税10%換算にしても10万円台にはなりません。
ですから、この10万円台という水準がいかに重要かが分かるわけですが、これはおそらく過去最高値に匹敵する水準だといえます。
この5200.50といえば、かつては5万円前後というイメージすらあったわけで、安く買えるオメガという印象がありました。
また、現行だった時代において、このダイナミックは、高級腕時計としては“最も安く買える価格帯”という印象があったわけですが、今の中古水準では、当時このダイナミックよりはるかに高かったブルガリやカルティエよりも中古価格が上という状態になっているのです。
これは、これまでのダイナミックというキャラクターからすると感慨深い現象だといえ、今後どうなるのかが興味深いといえます。
ちなみに、クロノグラフのほうは現在15万円以上という水準ですが、そちらもどうなるのか楽しみな1本だと感じます。