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現在相場考察

お得感を感じるコンプリケーション、年次カレンダー5036/1G

2019年12月19日更新
パテックフィリップの年次カレンダーについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2003年12月の新品実勢価格と2019年12月の中古安値(ヤフーショッピング)を比較し現在相場を考察。この16年0ヶ月での変動は¥-472,490だった。

年次カレンダー 5036/1Gについての考察(2019年12月)

年次カレンダーといえば、今では多くのモデルが展開されていますが、2000年代前半までは5035だけだったといえます。

もちろん、5035以外の展開はあったのですが、それは5035をベースとした高級版といったところ。

一つがプラチナモデルの5056Pで、もう一つが金無垢ブレスレットを装着した5036/1(J,G,R)です。

5035が、3つのインダイヤルによるカレンダー表示だったのに対し、5056Pや5036/1は2つのインダイヤルとムーンフェイズが主な構成となっていました。

5146がそうであるように、今ではこの配置は主流派となっていますが、それがデビューする2005年以前では、上級なモデル専用だったのです。

5035は、金無垢ケースに革ベルトという内容だったわけですが、5056Pだとそれがプラチナケース、5036/1は金無垢ブレスレットだったため、その定価や実勢価格は5035よりだいぶ高かったわけです。

実際、2003年において、5036/1Gの新品実勢価格は約315万円だったのですが、同時期5035G200万円以下という水準。具体的には、5035(G,R)が約195万円5035J約185万円という水準でした。

ちなみにプラチナの5056Pは約266万円だったため、年次カレンダーの中で最も高いといえたのがこの5036/1Gであるわけです。

しかし、今の時代、この5036/1Gに対してそういった印象はあまりないと感じます。

なぜなら現在、この5036/1Gは約267万円という中古水準だからなのですが、これは金無垢ブレスレットのパテックフィリップとしてもあまり高くなく、年次カレンダーという観点でも安く感じます。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2003年12月
の新品実勢価格
2019年12月
の中古安値(ヤフーショッピング)
変動額 残価率
パテックフィリップ
年次カレンダー
5036/1G
新品 16年
0ヶ月
¥3,152,310 ¥2,679,820 -472,490 85.01%

現在の中古水準は、2003年の新品実勢価格より47万円ほど安い水準ですが、パテックフィリップの人気モデルは、2003年当時と比較してびっくりするほど値上がりしているモデルが珍しくありません。

けれども、この5036/1Gは数十万円単位の値下がり傾向となっているわけです。

また、筆者が調べた限りですが、この5036/1Gは、現在売られている年次カレンダーとしては最も安い水準。

近年、年次カレンダーで最も安いといえるのは5035ですが、現在売りだされている個体を見つけることができなかったため、今、この5036/1Gが最も安い年次カレンダーといえる側面があります。ただ、5035がもし売られていたとしても、その価格差はそこまで大きくないと推測できます。

よって、この5036/1Gは、現在お得感のあるパテックフィリップだといえるわけで、もしも「お得なコンプリケーションパテックが欲しい」と思っている方がいるならば、なかなか良い1本だといえるかと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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