GMTマスターといえばスポロレの中で最も不人気モデルでした。というのはもう10年ほど前の話になりつつありますが、当時現行だった5桁リファレンスのGMTマスター2のステンレスモデルには3つの色のベゼルが存在。1つは青赤、もう一つは赤黒、そして黒ベゼルが存在したのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2014年2月 の安値(楽天) |
2016年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
GMTマスター2 116719BLRO |
新品 | 2年 3ヶ月 |
¥3,780,000 | ¥2,600,000 | -1,180,000 | 68.78% |
特に青赤ベゼルの評価は低く、スポロレの中でダントツの最安値。
その頃50万円以下のスポロレの中でダントツ人気のあったエクスプローラ1の中古価格より安い値段で“新品”が売られていたのです。
そんなわけで、青赤ベゼルに価値が無いとされていたので、『あえて安い青赤ベゼルを買って、黒く塗りつぶしてしまおうか』ということを思いつくユーザーも出現。
そういったユーザーの存在が示す通り、当時の一番人気は当然“黒ベゼル”です。
ところが事態は一変。
5桁リファレンスのGMTマスター2が生産終了となると、段々とGMTマスターは値上がりしていきました。
最初はかつての新品価格と同程度の水準に中古相場が上がり、みるみるうちに60万円台という、かつて考えられなかった相場になったのです。
そして、60万円台という相場になった頃、最も評価されたのが“青赤ベゼル”。
2007年に6桁リファレンスの新作GMTマスター2が出た時、出たのは黒ベゼルのみ。
その後、色付きベゼルのバリエーションが出たのは2013年にでた黒青ベゼル。そう、今でも大人気のアレです。
で、その翌年、伝統の青赤ベゼルも復活するのですが、もうかつての青赤とは違います。
目の前に現れたのは、全くの別物。
かつて33万程度で新品で買えた青赤ベゼルはそれが現行だった頃憧れられていたデイデイトプラチナモデルの限定色“アイスブルー”のように、ホワイトゴールドモデル専用色となって登場。
つまり、青赤ベゼルという存在は以前のような不人気な存在から、高級の象徴へと変化したのです。
300万円クラスとなった青赤ベゼルのGMTマスターは、すっかり高嶺の花となりました。
ただし、ここで気づいたのがステンレススチールのノーチラスパワーリザーブ(3710/1A)よりも安いということ。
ちなみに、このWG青赤GMTマスター2デビュー時の新品価格は378万円で、現在の新品最安値(楽天)は308万円。
高嶺の花的なキャラクターな反面、デビュー時から現在にかけて値下がり傾向という時計でもあります。